阪神・佐藤輝 右手一本で運んだ44打席ぶり20号!ミスター超え新人歴代2位の77戦目スピード到達

[ 2021年7月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-6ヤクルト ( 2021年7月7日    神宮 )

<ヤ・神>4回無死一塁、右越えに2ランを放ち、メダルをかけられる佐藤輝(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・佐藤輝明内野手(22)が7日のヤクルト戦で12試合44打席ぶりの20号を放ち、新人左打者では1946年大下弘(セネタース)の歴代最多に並んだ。2点劣勢の4回無死一塁で右翼席へ同点弾。77試合目での到達は、58年長嶋茂雄(巨人)の89試合を超えて新人史上2番目のスピード。悔しい空砲に終わっても、また球史に名を刻んだ。

 球史に刻む一打は、弾丸ライナーで右翼席まで飛んだ。2点劣勢の4回無死一塁。佐藤輝は1ストライクから高梨のフォークを右手一本で振り抜き、確信した。

 「しっかり自分のバッティングに集中していました」

 先月23日の中日戦以来、12試合44打席ぶりの一撃が同点弾。開幕2戦目だった3月26日に記録したプロ1号から3カ月強、同じ場所で20号の大台に到達した。戻ったベンチ前では坂本から「虎の金メダル」をかけられた。Zポーズも2週間ぶり。「ようやく自分もメダルをつけることができてうれしい」とかみしめた。

 新人左打者の20本塁打は1リーグ時代の46年大下弘と並ぶ歴代最多。「青バット」と称された大打者だ。「天才打者」と呼ばれた98年高橋由伸(巨人)の19本を抜き、セ・リーグ新人左打者では最多になった。20号到達スピードは新人歴代2番目。長嶋茂雄も含めて比較対象の名前が改めてスケールの大きさを物語る。

 活躍ぶりは後輩たちの手本だ。母校の仁川学院は10日に夏の兵庫大会初戦を迎える。プロ入り直前に寄贈したバッティングマシンで練習を重ねる現役部員たちは各自の野球ノートにこぞって佐藤輝のことを記しているという。同校OBでは初のプロ野球選手。1年目から憧れの存在へ昇華した。

 右翼守備でも7回に頭上を越された打球で巧みにクッションボールを処理し、二塁へのノーバウンド送球で打者走者・青木を刺した。外野からの直接補殺は2度目。一方で本塁打以外は5回2死満塁を含めて3打席3三振に終わり、矢野監督には「プロで長くやるためには、そこの成長というのが、どうしても必要なところ」と指摘された。もちろん思いは同じだ。

 「もう1本打てないとやっぱり…。今日もあと1本打てたら勝てた試合だと思う。自分の反省点として、明日(8日)以降やっていきたい。もっともっと上を目指して頑張っていきます」。20号は通過点に過ぎない。大器が目指す次元はもっと高く、大きい。(阪井 日向)

 《2番目に長いブランク》佐藤輝(神)が20号。新人の20本塁打以上は03年村田修一(横浜=25本)以来18年ぶり17人目。阪神では69年田淵幸一(22本)に次いで52年ぶり2人目になる。左打者では1リーグ時代の46年大下弘(セネタース)と並んで最多。2リーグ制以降では98年高橋由伸(巨)の19本を抜いて最多となった。チーム77試合目の20号到達は、59年桑田武(大洋)の60試合目に次ぐ2番目のスピード。19号は65試合目の6月23日。12試合、44打席ぶりは、10号→11号の13試合、51打席ぶりに次ぐ、2番目に長いブランクだった。

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