大谷が日米50勝!2番投手“リアル二刀流”で7回2失点 引退・松坂から受け継ぐ“ヒーローのバトン”

[ 2021年7月8日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー3レッドソックス ( 2021年7月6日    アナハイム )

<エンゼルス・レッドソックス>7回2失点で今季4勝目を挙げたエンゼルスの大谷。日米通算50勝を達成(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(27)が6日(日本時間7日)、レッドソックス戦で「2番・投手」で投打同時出場。投げては7回5安打2失点、打っては同点二塁打を放つなど二刀流で今季4勝目を挙げた。日本ハム時代の42勝を含め日米通算50勝目。メジャー志向のきっかけとなった西武・松坂大輔投手(40)の引退が発表されたこの日、松坂がかつて所属したレ軍相手の快投だった。

 ずっと憧れていた。だからこそ、すぐに言葉は出てこなかった。大谷は松坂引退に「今、知ったのでちょっとびっくりはしているんですけど…」と語りだし、言葉を選んだ。「残念だなという気持ちが強いですけど、投げている姿は忘れないかな、と思います」と続けた。

 不思議な導きだった。「2番・投手」で立ち向かったのは、松坂の古巣・レッドソックス。地区首位の強力打線に対し「むきに三振を取らないように気をつけていた」と冷静なマウンドさばきを見せた。最速98・5マイル(約159キロ)の直球と「最遅」68マイル(約109キロ)のカーブを効果的に交え、7回を無四球で5安打2失点。球速差最大50キロの緩急で、2/3回7失点だった6月30日のヤンキース戦での屈辱を晴らした。先制点を許した直後には同点の適時二塁打。メジャー1年目の18年に並ぶ4勝目で、前半戦最終登板を納得の形で締めた。

 花巻東時代に一度は決断したメジャー挑戦。きっかけは、レッドソックスの松坂だった。「僕はメジャーリーグの方の記憶が強い」。印象が強かったのは松坂のレ軍移籍時に話題となった回転軸が球の進行方向に向くという魔球「ジャイロボール」だ。「投げられると思って子供の頃に真剣にやっていた」と少年時代を振り返った大谷。メジャーで大フィーバーを呼んでいる二刀流でも「僕の実力では難しいなと思っています」と謙遜した。ただ、宝刀スプリットはジャイロ回転をすることがあり、不規則な落差が持ち味。大谷は「ということは“ジャイロスプリッター”でいいかなと思っている」とイタズラっぽく笑い、怪物継承を口にした。

 松坂と並ぶ高卒3年目での年俸1億円に到達した14年オフ。日本復帰が決まった松坂に対し大谷は「僕にとって憧れの存在。機会があれば対戦したい。打席に入ってどんな感じなのか打ってみたい」と語っていた。夢の対決は、実現せずに終わる。それでも「平成の怪物」から「令和の二刀流」へ、時代を彩るヒーローの姿は、しっかりと受け継がれている。(柳原 直之)

 ▼エンゼルス・スタッシ(4月4日以来、今季2度目の大谷登板時の先発マスク)翔平は相手のゲームプランによって対応できる。5つ以上の球種があり、何がうまくいっているかを把握することができる。今日はカーブだった。

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