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森繁和氏 引退・松坂へ「大輔、本当にお疲れさま」忘れられない影武者騒動

[ 2021年7月8日 05:30 ]

西武・松坂大輔 今季限りで引退

中日時代の松坂(右)と森監督
Photo By スポニチ

 本人から連絡をもらった。電話の向こうの大輔の声は少しすっきりとしたような感じだった。「じゃあ釣りに連れていってくださいね」。同じ趣味。もちろん了解した。大輔、長い間よく頑張ったな。本当にお疲れさま。

 アイツが西武に入団した時、私は2軍投手コーチ。忘れられないのは99年春季キャンプでの「影武者」騒動だ。2月14日の日曜日。高知・春野に歴代最多1万5000人のファンが押しかけ、大輔はブルペンから移動できなくなってしまった。「よし、おまえ脱げ」。かわいそうに思い、体形の似ていた谷中に大輔のユニホームを着せて影武者に。ファンや報道陣を引きつけている間に脱出させた。「人をだますようなことをするな」と球団には怒られたが…。

 私が中日監督だった18年、大輔は6勝を挙げてカムバック賞を受賞した。昔の剛球投手のイメージはない。マウンド上ではわざと打者有利のカウントにして、そこから打ち気にはやる打者をボール球で打ち取ったりする。一流の投球術ではあるが、同時に球数を多く使ってでも一つのアウトを奪うことへの執念を見せていた。その必死な姿は、中日の若手投手陣に確実にいい影響を与えてくれた。

 西武に復帰したこの2年間は、投げることができずに終わった。勝てない、ではなく、投げられない。野球人生の中でも一番つらい2年間だっただろう。引退を発表して、気持ちも楽になったかもしれないな。今後は野球界にどう恩返しをするか。本人もいろいろと考えると思う。後は、釣り。私も楽しみにしている。(17年、18年中日監督。スポニチ本紙評論家)

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