松坂は生きる勇気とメッセージを与えた 横浜高・渡辺元智元監督も称える生きざま

[ 2021年7月8日 05:30 ]

西武・松坂大輔 今季限りで引退

98年、夏の高校野球のPL学園戦で延長17回250球を投げ切った松坂(左)をねぎらう横浜・渡辺元智監督
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 横浜高時代の恩師である渡辺元智氏(76)が、引退した松坂をねぎらった。前日、本人から「引退することに決めました」と電話をもらい、思い浮かんだ言葉は「ありがとう」。同時に意義ある決断だと感じ取った。

 「今はコロナ禍や自然災害で苦しんでいる人々がたくさんいる。でも松坂の野球人生は栄光と挫折の両方を味わった。その生きざまが国難に苦しむ人々に生きる勇気とメッセージを与えた気がするんです。平成の怪物として格好いい時に辞めるのではなく、ボロボロになっても続けた。最後までやり抜こうとする姿が、苦しむ人々にも力強く生きてもらいたいと言いたかったんじゃないかな」

 高校時代の思い出には98年の甲子園春夏連覇よりも、2年時の97年夏の神奈川大会準決勝を挙げた。「Y校(横浜商)戦でサヨナラ暴投したことが、大きな糧になったはず。その後の奇跡が生まれた」。野球から離れても、松坂には「語り部」として次代を担う若者に勇気を説いてほしいと力説。「現実は変わらなくても、人生は長いんだ。多少の失敗でクヨクヨするんじゃない。頑張れ!と伝えてほしい。彼にとっても意義がある。そういった教えは将来、教科書になる可能性だってあるんです」と言った。

 コロナ禍が落ち着けば、松坂と対面するつもりだ。「彼自身の胸中をじっくり聞きたいですね」。平成の怪物も、渡辺氏にとっては教え子の一人である。(伊藤 幸男)

 ▼小倉清一郎氏(横浜高元野球部長)相当苦しい思いをしていた。体が万全ではなく、難しいと思っていたが(リハビリを)必死にやっていた。(高校に)入った時はたいしたことなかった。ずっと止まることなく伸びていった。

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