阪神・近本 千金3号は球団通算9万安打!打った瞬間確信「しっかり振り抜けてよかった」

[ 2020年8月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―5広島 ( 2020年8月29日    マツダ )

<広・神>8回2死、近本は右越えにソロ本塁打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は29日の広島戦に6―5で勝ち、一日で勝率5割復帰を果たした。5―4の8回2死走者なしから、近本光司外野手(25)が球団9万本目の安打となる3号ソロで加点。広島の猛追を受ける中で値千金の一発となり、勝利を呼び込んだ。

 掛布、金本、新井…。猛虎のレジェンドたちに近本も肩を並べた。8回に放った3号ソロが、この日のチーム10安打目で、球団通算9万本目に到達した。

 本人も知らない球団記録なので、試合後は感想も喜びも口にすることはなかった。しかし1936年4月29日、金鯱軍戦で最初の安打が放たれてから、84年4カ月の月日を経てのまぎれもない「記念の安打」だった。決して狙えるものではないが、4万本、7万本、8万本…のそうそうたる顔ぶれをみれば、単なる運だけではなく、近本が今の猛虎の顔なのだろう。

 5―4の8回2死、薮田の内角低め直球を右翼席に運んだ。7月10日DeNA戦以来の手応えは、9回に1点を反撃するなど追いすがる広島を突き放す値千金の追加点だった。

 「流れも向こうにいきかけている中で2アウトだったんですけど、出塁ということを考えていた。自分の打てるタイミングが来たので、しっかり振り抜けてよかった」

 最終5打席目で1本が出て、連続試合安打を8に伸ばした。8月はリーグ最多の37安打を放ち、月間打率も・356と好調をキープ。「今やっていることを、試合の中でちょっとズレていると思っても、大きいところは変えないと思ってやっているので、今日も4打席打てなかったですけど、変えなかったのがよかった」

 1年目からの習慣が今年の夏の好結果に直結している。睡眠は8時間。食事面でもパフォーマンス維持に必要なタンパク質、ビタミン、食物繊維など、未夢夫人に協力してもらっている。「9月は13連戦と9連戦があるので、どう乗り越えるか。しんどいと思うが、しっかりご飯を食べて、寝て、回復するだけです」

 矢野監督からも「2死からのホームラン。結果的に見ても、あの1点が向こうの攻める気持ちというか、止める一本にはなったと思う。そういう流れはあった」と絶賛された。チームも一夜で勝率5割復帰。歴史的だけではなく、今シーズンを振り返ったときでも、大きな1勝になっているかもしれない。(長谷川 凡記)

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2020年8月30日のニュース