南会津 28年ぶりの秋の県大会出場 渡部遥が投打に活躍

[ 2020年8月30日 05:00 ]

第72回秋季東北地区高校福島県大会会津支部第3・4代表決定戦   南会津8―0会津工 ( 2020年8月29日    あいづ球場 )

笑顔を見せる兄・渡部遥人(右)と弟の陸人
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 第72回秋季東北地区高校福島県大会会津支部第3・4代表決定戦が29日に行われ、南会津が7回コールドで会津工を8―0で下し、28年ぶりの秋の県大会出場を決めた。先発・渡部遥人(2年)が7回を5安打無失点。打っては先制打を含む2安打2打点と投打で活躍した。

 101球目の直球で最後の打者を討ち取ると、渡部遥は仲間に促されて整列に向かった。28年ぶりに県大会への扉を開けたが、実感はなかった。ゾーンに入っていたエースは、次のイニングへの準備をしていた。

 「“えっ、もう終わり?”と思っていましたし、まだ投げられた。ただ、このチームで県大会に行ける自信があったので素直にうれしいし、最高の気分」

 120キロ中盤の真っすぐを軸に、5回まで1安打で三塁を踏ませなかった。6、7回はピンチを背負ったが、回を追うごとに制球力を増したスライダーを織り交ぜて7回無失点。「打たせることを意識した。守備がアウトを取ってくれたので投げやすかった」。4番として打っても先制の内野安打などで打線に火をつけ、チームは10安打と爆発した。

 今大会無安打の弟・陸人のために奮闘した。決戦前日に素振りに誘い、渡部遥は「絶対勝つぞ」とともにバットを振った。陸人に快音は出なかったが、5回1死満塁に右犠飛。ベンチで最も喜んだ渡部遥は、「苦しんでいたのを見ていたので、この試合は自分が無失点に抑える」と投球のギアをさらに上げた。

 選手17人で挑む県大会。渡部遥は「打たれても最少失点で抑えて、打撃は良い球だけを狙って最低2勝する」と活躍を誓った。次のステージでも、南会津が強豪の壁を破る。(近藤 大暉)

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2020年8月30日のニュース