ソフトバンク・ムーア 3度目登板で来日初勝利!“日本流”習得、甲斐に配球任せ5回零封

[ 2020年8月30日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―0日本ハム ( 2020年8月29日    ペイペイD )

<ソ・日>来日初勝利を挙げたムーアはウイニングボールを手に笑顔(左は松本)(撮影・岡田 丈靖)
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 これがメジャー54勝左腕の実力!左ふくらはぎを痛めていたソフトバンクのマット・ムーア投手(31)が日本ハム戦で復帰登板。先発で5回を無失点に抑え、3戦目で来日初勝利を挙げた。前日、右肘手術からの復帰登板で今季初勝利を挙げた右腕、武田翔太投手(27)に続く復活劇。首位を快走中のチームは今季最長を更新する7連勝を飾った。

 球数表示を見ると「89」だった。左ふくらはぎ筋損傷で6月30日の日本ハム戦以来の復帰登板となったムーア。試合前に90球の球数制限を伝えられていた。場面は1―0の5回2死一、三塁。交代を告げに来た森山投手コーチに言った。

 「もう一人、いかせてほしい」

 3番・西川を「高校時代から投げている」というチェンジアップで空振り三振に仕留め、予定をオーバーする95球でマウンドを降りた。毎回の7三振を奪った。そのうち“得意球”で5つを量産し「接戦の試合で粘っていけた。最初の一歩になった」と振り返った。

 レイズなどでメジャー通算54勝。プライドもあったのだろう。来日初登板、6月23日の西武戦では甲斐のサインに首を振り、自ら組み立てを考えながらのマウンドだった。結果は4回6失点。この日は、甲斐に配球を任せ「甲斐の方が日本の打者の特長を分かっている。リードを信じて投げた」。結果は5回4安打無失点だった。

 日米の野球の違いは、開幕前の練習試合でのバントで感じ取った。犠打を処理し一塁に送球した際、タイミングがギリギリアウトだったことがあった。「日本では犠打を決めた選手が一塁まで全力で走る。アメリカでは打球が転がった時に“仕事が終わった”となることが多い」。教訓を胸に、3回無死一塁から松本の犠打を素早く処理し、確実にアウトを取った。

 2軍での最終登板となった8月23日のウエスタン・リーグ、オリックス戦では無走者の場面でもセットポジションで投じ、架空の二塁走者を見てから打者に投球した。この日は3度、得点圏に走者を背負ったが、投げミスはなし。周到な準備が初勝利につながった。

 今年初めての「鷹ガールデー」でスタンドがピンク色に染まった中、チームは今季最長を更新する7連勝。工藤監督は「(ムーアは)よく投げてくれた。チームにとっていい勝利」と助っ人左腕の復帰を喜んだ。

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2020年8月30日のニュース