合同練習会でNPB審判員2人が「ストライク!」、ともに21歳「今できる最高の仕事をしよう」

[ 2020年8月30日 22:36 ]

<プロ志望高校生合同練習会>室内練習場でのシート打撃の様子がビジョンに映し出される(撮影・大森 寛明) 
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 2日間の日程で、阪神甲子園球場で行われたプロ志望高校生合同練習会(西日本会場)が30日に終了した。2日目は33人の投手がフリー打撃に登板して打者と対戦。通常ならば高校生を担当することがないNPB所属の西沢一希審判員(21)と正木雄大審判員(21)が球審を務めた。

 投手は1球投じるごとにほえ、打者は悔いを残すことなくフルスイング。自らの進路をかけた高校生たちの迫力あるプレーを2人は一番近くで見届けた。

 高校生のジャッジは人生初という西沢審判員は「プロになりたいという真っすぐな気持ちが伝わってきた。NPBの試合と同様に選手の人生がかかっている1球という意識でジャッジしました」と振り返った。

 正木審判員にとって甲子園は苦い思い出の地だ。宇部鴻城(山口)時代の3年春に出場した17年センバツ大会、1回戦の大阪桐蔭戦に7番・捕手で出場も0―11で敗戦を喫した。心の隅に残っていた悔しさは、選手たちがお互いに励ましの言葉をかける姿を見て消えた。「グラウンドに立つとやっぱり良い場所だなと。目をキラキラさせてプレーする選手たちにプロだから、高校生だからじゃなく、今できる最高の仕事をしようと思いました」

 2人は1軍の試合を担当することができない育成審判員。正式契約を勝ち取り、1軍出場を目指す自らと選手たちの姿に重なるものがあった。西沢審判員は「刺激をもらえました。担当できて良かったです。自分たちも負けられない」。正木審判は「自分も目指した甲子園とプロの世界。夢を抱く気持ちの強さを再確認できました」と話した。

 合同練習会はNPBと日本高野連を中心した多くの関係者の尽力で開催となった。プロとアマの枠組みを超えて野球界が一致団結してコロナ禍に立ち向かっている。

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2020年8月30日のニュース