球児77人が憧れの甲子園で夢への挑戦!屋久島から参加の黒飛捕手「全て出し切れた」

[ 2020年8月30日 05:30 ]

プロ志望高校生合同練習会 ( 2020年8月29日    甲子園 )

甲子園での合同練習会に参加した福岡大大濠・山下(右から2人目)ら選手たち(撮影・大森 寛明) 
Photo By スポニチ

 日本野球機構(NPB)がプロ野球選手を目指す高校3年生を対象に日本高野連と共催する「プロ志望高校生合同練習会」が29日、甲子園で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの大会が中止となり、実力を見せる機会を提供する目的で企画された史上初の試み。西日本会場の初日となったこの日は、77人の選手が83人のプロ球団のスカウトらの前で全力でアピールした。

 何とも言えない高揚感と緊張感。聖地・甲子園でプレーする77選手を、バックネット裏で12球団の総勢83人が目を光らせた。選手は胸と背中に番号の入ったシャツを着用。シートノックやフリー打撃に臨み、全国的には無名の選手も目を輝かせてアピールした。

 今夏の鹿児島県大会で初戦敗退した屋久島からは、黒飛(くろとび)海太捕手が参加。ノックで最前線に立って声を出し「凄いメンバーと練習できて楽しかった。セールスポイントは全て出し切れた」。フリー打撃では、おかやま山陽の漁府輝羽(ぎょふ・こうは)外野手が柵越えを披露し「自信につながった」と手応えを語った。

 中日の中田宗男アマスカウトアドバイザーは「体は小さいが良い打撃をする子が目立った」と名門校ながら、これまでドラフト候補に名前が挙がっていなかった広島商の寺本聖一外野手と高知商の西村貫輔内野手に注目。寺本は1メートル69の左打者で、木製バットで柵越えも放った。西村も1メートル67と小柄な右打者で広角に打ち分けた。

 プロアマの垣根を越えた試み。元阪神、日本ハムで、現阪神アカデミーコーチの今成亮太氏が阪神のユニホーム姿でノッカーを務めた=写真。本来なら技術指導にあたるとして禁止されている行為。「オーラが凄い」(京都国際・釣)などと感激の声が上がった。本来この時期に直接接触できないスカウトも各球団1人ずつグラウンドに出て練習をサポートした。

 30日の第2日は、福岡大大濠のドラフト1位候補右腕・山下舜平大投手らがシート打撃に登板予定。出場を果たせなかった甲子園で、未来への一歩を刻む。(松井 いつき)

 ▽プロ志望高校生合同練習会 各都道府県高野連が独自に主催する代替大会ではスカウトの視察が制限されるケースもあり、日本野球機構(NPB)と日本高野連が特例的に練習会の開催を決めた。選手の居住地に応じて2会場で各2日の日程。甲子園球場では30日までで、9月5、6日は東京ドームに舞台を移す。ドラフト会議は10月26日に開催される。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月30日のニュース