阪神・ボーア 「詰まっても」3戦連発 “かめはめ波”超速弾で浜風お構いなし「感覚良くなっている」

[ 2020年6月5日 05:30 ]

練習試合   阪神6-0広島 ( 2020年6月4日    甲子園 )

3回無死一塁、右越え2ランを放ち、ベンチに戻った後も“かめはめ波ポーズ”をみせるボーア(撮影・坂田 高浩)
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 阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が4日、広島との練習試合で3試合連続本塁打へ伸ばし、3連勝に導いた。2―0の3回無死一塁から右翼ポール直撃の痛烈ライナー弾。2週間後の開幕に向けて一気に調子を上げる新主砲に引っ張られ、猛虎の歯車がかみ合ってきた。

 ボーアが止まらない。オレンジのバットから放った痛烈なライナーが恐るべき速度で右翼ポールを直撃。あっという間に白球が芝生に跳ね返ってきたことで塁審が一度はインプレーと判定したほどだ。圧巻の“超速弾”で3戦連発へ伸ばした。

 「シーズンがだんだん近づいている中で、打席数を重ねるごとに感覚がスゴく良くなっている。またシーズンに向けてしっかり準備していきたい」

 長打が1本も出なかった春先とは別人だ。実戦18試合、通算45打席目で来日初アーチが生まれたのは2日の初戦。3日間を振り返れば、先制、決勝、中押しの3本の2ランで、3連勝の立役者となった。3試合連発はマーリンズ時代の17年9月19、20日メッツ戦、22、23日ダイヤモンドバックス戦での4戦連発以来だ。

 ダイヤモンドを一周して戻ったベンチ前では前日同様、アニメ「ドラゴンボール」の「かめはめ波」のようなポーズを決めた。「本塁打とか二塁打を打った時、“ファイアボール”というパフォーマンスを自分の中でつくっているんだ。ドラゴンボールと、クラッシュというゲームからきている」と説明。ポーズ名については「ファンに尋ねて。今はとりあえず“ファイアボール”で」と笑った。

 打ったのは、2―0の3回無死一塁の第2打席。実はこの打席中にそれまで使っていた黒のバットが折れているのに気付き、同じ形状のオレンジの物に持ち替えていた。仕留めた薮田の5球目は内角高めの直球。甘くはない。長い腕をたたんで怪力で振り抜いた。

 「ファウルになるかと思ったけど、ポールに当たって良かった。バットが折れたことに気付いて、途中でバットを替えて打ち直して良かったよ」

 上空を吹いていた浜風も関係ない。前後を打つマルテ、サンズの中軸3助っ人で安打そろい踏みともなり、矢野監督は「ファウルになりそうなところやけど、詰まってあそこに本塁打。(相手)バッテリーは嫌。詰まってもああいうふうに打てる技術は頼もしい」と目を細めた。

 「再来に―」と期待されるランディ・バースは86年にプロ野球タイ記録の7戦連発を残した。練習試合とは比較できなくても、虎党に夢を見させるポテンシャルを証明した3連戦だった。(山添 晴治)

 ○…ボーア(神)が3試合連続本塁打。メジャー時代に4試合連続2度を含む6度記録しており、マーリンズ時代の17年9月19~23日にかけて4試合連発して以来。シーズン中の阪神外国人選手による3試合連発は15年9月19~21日のゴメスが最新。最長は86年バースの7試合(6月18~26日)で72年の王貞治(巨)に並ぶプロ野球記録。

 ▽1986年のバースの7試合連続本塁打 6月18日6回、高野(ヤ)からの16号ソロを皮切りに、19日荒木(ヤ)2ラン、20日郭源治(中)2ラン、21日鈴木孝(中)ソロ、22日平沼(中)2ラン、24日桑田(巨)2ラン。26日江川(巨)から8回後楽園の右翼場外に消える22号ソロで72年王(巨)のプロ野球記録に並ぶ7試合連続本塁打。「今まで記憶にないグレートな一発」と自画自賛した。翌27日ヤクルト戦は6打席で本塁打が出なかった一方、打点は7月4日の巨人戦までプロ野球新記録の13試合連続まで伸ばした。同年は打率・389、47本塁打、109打点で2年連続の3冠王。

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2020年6月5日のニュース