高校球児に晴れ舞台を 民間レベルで高まる気運「前向きな雰囲気をつくりあげていきたい」

[ 2020年6月5日 12:56 ]

 高校球児のために、甲子園大会を! 新型コロナウイルスの感染拡大のため「第102回全国高校野球選手権大会」は中止となったが、民間レベルで代替の全国大会開催へ向けた気運が高まってきている。「2020年高校野球甲子園大会(仮称)」の実行委員会を立ち上げた中崎洋一代表を電話取材した。

 「各都道府県では独自大会開催へ向けた動きが活発化していますが、そのあとの目標として甲子園で全国大会を開催したい。いずれにせよ日本高野連の方々のご協力が必要不可欠ですので、開催を再考していただけるような前向きな雰囲気をつくりあげていきたいと考えています」

 事の発端は、中崎氏の友人で高校球児を持つ父親の存在だった。夏の甲子園大会開催を切望する思いをフェイスブック(以下FB)に投稿。翌5月20日に正式に中止が決定したことを受け、中崎代表は動いた。「野球だけではなく、すべての高校生に関わること。すぐに動きはじめなくては」。同日中にFB上で代替大会開催へ向けた賛同者を募り始めた。支援の輪は徐々に広がりを見せ、実行委員会を発足。FBのグループ参加者は988人(5日13時現在)となった。

 「FBでの意見交換はもちろんですが、オンラインでのミーティングなども開いています」

 具体的には代替甲子園大会開催までの段階を6段階に設定した。第2段階にあたる計画案の作成は終了。現在は独自で各都道府県の独自大会開催の動向を調査しつつ、日本高野連や甲子園球場への橋渡し役となりうる野球関係者との調整につとめている。

 「高野連の方々も苦渋の決断を下されたと思います。どれだけ入念な対策をしてもゼロリスクはありませんが、日々、状況は変わりつつあります。野球を象徴として、その他のスポーツに枠組みを広げていきたい。一人でも多くの高校3年生に部活動の成果を披露する舞台を用意できれば嬉しい」

 5月にはアスリートワークスの徳丸博之代表が発起人となり夏の甲子園開催を呼びかける署名活動をスタートさせると、わずか5日間で1万7000人を超える署名が集まった。3日には日本高野連も8月に甲子園球場を使用するための検討を開始。高校球児に何らかの晴舞台を用意するべく、各方面で前向きな機運が高まってきている。

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2020年6月5日のニュース