阪神・秋山 二塁踏まさず5回無失点 2月から26回連続無失点で開幕ローテほぼ確定

[ 2020年6月5日 05:30 ]

練習試合   阪神6-0広島 ( 2020年6月4日    甲子園 )

3回1死一塁、菊池涼の投ゴロをさばき、二塁に送球して併殺に仕留める秋山(撮影・坂田 高浩)
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 1球ごとに無観客の場内に響くうなり声は“仕事”に飢える男の心の叫びに聞こえた。5回を4安打無四球で無失点。阪神の秋山が緩急を生かした投球で開幕ローテーション入りをほぼ手中に収めた。

 「ストレートに関しては、高さも良い高さに投げていけるようになってたし、カーブも有効的に使えるようになってたので」

 立ち上がりに振り絞った「勇気」が快投を呼んだ。初回2死一塁で迎えた鈴木誠にフルカウントから115キロのカーブを外角低めに投じて見逃し三振。勝負どころで選んだ“緩”に、「3―2からカーブっていうのも勇気いりますけど、割り切ってというか、中途半端な気持ちにならずに投げられるようにしないといけないカウントと球」と手応えをにじませた。

 「回を追うごとにボールを操れていた。投げていてバッターが意識してるというのを感じ取りながら攻めていけたので、捉えられたのも数少なかった」

 球速は1球も140キロ台に到達しなくても高低、配球、緩急を駆使して二塁を踏ませなかった。自信を深めた69球に「真っすぐの高さが良かったですし、高さで勝負できるピッチャーになっていきたいと思います」と理想を重ね合わせた。

 2月8日の中日との練習試合で初回に失点以降、無失点はついに「26回」に到達。長いサバイバルで一歩も後退せず無双する姿を矢野監督も「しっかりした投球をしてくれたんでうれしい。カーブがうまく使えるピッチングは今まで多くなかったと思うので、秋山の幅にもなる」と頼もしく見つめた。

 「(開幕後)どこに投げるというより、ローテでしっかり回るという気持ちで与えてもらったところでやって。(ローテに)入れればその時、その時でしっかりやっていきたい」。17年に12勝を挙げて以降、苦闘してきた右腕は競争のその先を見ている。(遠藤 礼)

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2020年6月5日のニュース