巨人2年目19歳・戸郷 桑田ロードだ!開幕ローテへ前進「めちゃ意識」

[ 2020年2月20日 05:30 ]

練習試合(特別ルール)   巨人5―1中日 ( 2020年2月19日    沖縄セルラー )

<巨人・中日>力投する戸郷(撮影・森沢裕)
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 巨人の2年目右腕・戸郷翔征投手(19) が19日、中日との練習試合に先発。最速153キロの直球を武器に3回1安打3奪三振で無失点の好投を披露した。高校時代からのライバルである同期の中日・根尾昂内野手(19)との2回2死でのプロ初対決では、狙い通りの直球で空振り三振。開幕ローテーション入りへ、一歩前進した。

 戸郷はあえて、18・44メートル先にいる打席の根尾と視線を合わせなかった。「目を合わせてしまうと投げにくい」。秘めた闘志を指先に集め、思いを爆発させる。2回2死一塁。0―2からの4球目は炭谷のフォークのサインに首を振った。149キロ直球。根尾のバットは見事に空を切った。

 「めちゃめちゃ意識した。首を振って、自分のプライドを持ってやった。真っすぐで三振が取りたかったので良かった」。強気全開。4球全てが魂の直球だった。聖心ウルスラ学園3年だった18年8月31日、戸郷は宮崎県高校選抜の一員として高校日本代表と対戦。4番・根尾を三振に斬るなど、5回1/3を2失点9奪三振で一躍、スカウトの注目を集めた。相手は大阪桐蔭で甲子園を春夏連覇。戸郷にとって「日本中で注目された有名人。凄かった」という存在だ。プロでの初対決で、再び力でねじ伏せた。

 「自分も根尾も成長していると思う。その中で三振が取れたのがうれしい。一番の成果」。ライバルであり、1月には鳥取の「ワールドウィング」で一緒に自主トレも行った。初動負荷理論を学び、たくましさを増した体から放たれた直球は自己最速に1キロ迫る153キロを計測。フォーク、スライダーも切れての3回1安打無失点に、宮本投手チーフコーチは「戸郷は文句なし。我々の中では、先発ローテーションの座を片手でつかんでいる。3番手ぐらいにつけているんじゃないか」と評した。

 「球界を代表する打者が相手でも、自分の真っすぐを投げていけば必ずローテーションを勝ち取れると思う」。右腕は36球の登板後はブルペンに直行。計124球を投げたのも先発を見据えてのものだ。姓の「戸郷」は全国に約50人しかいない珍しい名字。ナインからの愛称は「To Go」で、グラブにも刺しゅうを入れている。英語では「お持ち帰り」の意味。開幕ローテーションの座を19歳が南国・沖縄から持ち帰る。 (鈴木 勝巳)

 ▼中日・根尾 いいボールというか、(戸郷は)結構特殊でなかなかいない投手。でも、打たないといけない。シーズンでも(打席に)立つと思う。しっかりやりたい。

 ≪高卒2年目以内で開幕ローテしたのは桑田が最後≫高卒2年目以内で開幕ローテーション入りした巨人の投手は87年桑田真澄が最後。1年目に15試合で2勝1敗、防御率5.14だった桑田は、西本、江川、槙原に続く4戦目のヤクルト戦に先発し完投勝利。その後もローテーションを守り28試合に登板し15勝6敗、防御率2.17でリーグ優勝に貢献。最優秀防御率、ベストナイン、沢村賞を獲得した。
 

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