ソフトB甲斐野、初登板初勝利 圧巻の2回5Kでサヨナラ呼んだ

[ 2019年3月30日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―4西武 ( 2019年3月29日    ヤフオクD )

初登板で初勝利を挙げた甲斐野(撮影・中村 達也)
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 プロ野球は29日、セ・パ両リーグが開幕した。ソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央投手(22=東洋大)がプロ初登板初勝利を挙げた。4―4の延長10回から2回を1安打無失点。昨季リーグ覇者、西武の強力打線を相手に、いきなりの3連続など計5三振を奪う鮮烈デビューで、サヨナラ勝利の流れを呼び込んだ。万全とは言えないブルペン陣を頼もしいルーキーが支える。

 デビュー戦から、お立ち台で甲斐野が初々しい笑みを浮かべた。その姿はいかにもルーキーだ。

 「ブルペンで(肩を)つくっているときからウワーッと思っていた。でもオープン戦で結果を残せていなかったので“このチャンスをものにしたい”と強く思ってマウンドに上がった」

 4―4の延長10回から登板。プロ初登板で対峙(たいじ)したのは昨季本塁打王の山川だ。フォークを2球続けて空振りを奪う。そして3球目。捕手のサインに首を振り、最後もフォークで空振り三振に仕留めた。森、外崎も空振り三振。回またぎで11回もマウンドへ。中村に内野安打を許したものの、後続を連続三振に斬り計5奪三振。「正直、あんまり覚えていない」。必死に腕を振って昨季リーグ覇者の打線を沈黙させ、サヨナラへの舞台を整えた。

 ルーキーの開幕戦白星は同じソフトバンクで2008年の久米勇紀以来11年ぶりの快挙。工藤監督は「三振を取れる球威と変化球がある。そこが彼の持ち味。西武打線に逃げずに向かっていった。称賛に値する勝ち星だと思う」と手放しで喜んだ。

 オープン戦最終戦、24日の広島戦では会沢への危険球で退場。27日の2軍の練習試合で調整登板し、迎えた開幕戦だった。先輩から「これで投げられないんだったら、上では投げられない。内角を攻めていけ」と声を掛けられ、前を向いた。

 最速159キロの直球とフォークで注目を浴びる。本人がプロで成長を感じているのはスライダーだ。「腕を振るようになって、真っすぐと同じ軌道でいってくれている。緩急を大事にしたい」と幅を広げている。

 ウイニングボールを森に観客席に投げ込まれそうになり、慌てて追いかける甲斐野にチームメートは爆笑。「両親に早く渡したい」と笑顔。ドラフト1位右腕が歴史に名を残すデビューを飾った。

▼ソフトバンク・王貞治球団会長 甲斐野は良いピッチングをしたよ。1イニングをピシャッと抑えたね。大学のときから抑えをやっていたし、緊張はあったと思うけど、経験していかないと。

▼ソフトバンク・孫正義オーナー(ナイスゲームでしたね。(甲斐野は)素晴らしい投球。スピードも速いしコントロールもいい。あの山場でよく投げきりましたよ。

▼ソフトバンク・奥村(4―4の8回1死二塁でプロ初登板。2/3回を無失点で初ホールド)ブルペンでは緊張していたけど、出ていったらそうでもなかった。投げられて良かった。

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2019年3月30日のニュース