今夏ブレークへ「輝星2世」石岡一・岩本が聖地で見せた“引き出しの多さ”

[ 2019年3月30日 09:30 ]

石岡一・岩本(撮影・大森 寛明)
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 熱闘が繰り広げられる高校野球選抜大会。1回戦敗退に終わったが、石岡一(茨城)の岩本大地投手(3年)の投球に驚いた。

 岩本は、昨夏の甲子園で準優勝に輝いた金足農の吉田輝星投手(現日本ハム)に憧れる17歳。農学校をルーツとする同校を最速147キロの直球で甲子園に導き、「輝星2世」と呼ばれる。しかし、実際に投球を見ると、吉田輝とは違った武器を持っていた。

 23日の盛岡大付(岩手)戦。昨秋の岩手県大会で大船渡の157キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)を攻略した相手に対して策を練った。吉田輝に憧れているため、直球での勝負にこだわるのかと思えば、「相手は速球に強いので変化球で緩急を。得意な変化球ですか?全部です」。実戦でも言葉通りの投球を体現した。

 変化幅の違う2種類のスライダー、90キロ台のカーブ、チェンジアップと全球種を駆使して初回先頭から4者連続で奪三振。直球に「一番自信がある」としながら冷静に変化球で勝負して8回まで2安打無失点と好投した。

 尻の大きな体型や、走者を背負ってからけん制で打者との間を取る投球術と、「動画で吉田選手の投球を参考にしている」とだけあって、随所に重なる部分はある。それでも、岩本の最大の武器は引き出しの多さだった。日本ハムの大渕隆スカウト部長も「(吉田輝は)直球で勝負するタイプだけど、彼(岩本)は変化球が多彩なタイプ。試合を支配している」と評価。聖地デビュー戦で堂々と躍動した。

 それだけに2点リードの9回2死二、三塁。あと1死で勝利をつかんだ場面での配球ミスを悔やんだ。外のスライダーで追い込むも、変化球にタイミングが合わない打者の決め球に内角の直球を選択。右前に運ばれて同点とされ、延長でサヨナラ負けを喫した。岩本はこの場面を振り返って「一本調子にならないようにというテーマにとらわれて、外を意識させて内の直球で詰まらせようと。変化球を投げれていれば結果は変わっていた」。試合が終われば客観的に反省できただけに、悔しい一球となった。

 ただ今回の敗戦で大舞台の怖さを知ることができた。「打者の嫌がる変化球をテーマに(冬は)練習してきた。夏までにもっと細かい部分を磨きたい」と岩本。吉田輝も参考にしつつ、自分の武器も磨くという。憧れと自己分析を持ち合わせる岩本は、今夏ブレークの予感を感じさせた。(記者コラム・武田勇美)

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