明豊 春初の8強 継投で神宮大会覇者1点に抑える

[ 2019年3月30日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第7日 2回戦   明豊2-1札幌大谷 ( 2019年3月29日    甲子園 )

7回1失点の明豊・若杉(撮影・後藤 大輝)  
Photo By スポニチ

 2回戦3試合が行われ、明豊(大分)が、札幌大谷(北海道)を2―1で下し、同校初の春8強を決めた。大分県勢としても88年津久見以来31年ぶりの快進撃。「強打」が看板だが、2年生エースの左腕・若杉晟汰(せいた)投手が先発で7回6安打1失点。大畑蓮(3年)との継投で昨秋の神宮大会覇者を振り切った。龍谷大平安(京都)、筑陽学園(福岡)もベスト8に駒を進めた。

 試合終了のサイレンを聞いた大畑は成田捕手と激しくグラブタッチ。勢い余って帽子も落ちた。「ナイスピッチング!」。後輩のエース・若杉からは背中をポンと叩かれた。「“強打の明豊”と言われて悔しかったので“投手の明豊”と言わせたかった」と2―1の8回から登板し、打者7人に1安打投球。2人の継投で、昨秋の明治神宮大会を制した王者を1失点に封じた。

 先発・若杉も7回6安打1失点で見事な雪辱だ。初戦の横浜戦で3回5安打4失点。プロ注目左腕の及川を3回途中でKOし、13得点を奪った打線に助けてもらっていた。先輩女房の成田に「次は絶対やります」と宣言した通り、3連打で招いた4回1死満塁も後続を封じ、6回無死一、三塁でも遊ゴロ併殺で最少失点で切り抜けた。「前回の20、30点から70点の投球ができた」と笑顔を見せた。

 打っても5回1死三塁で、自ら中前決勝打。昨秋のチーム打率・375は全出場校中3位、平均得点8・56は同2位。強打の明豊は、甲子園で春夏計12勝を挙げている。これまで9安打勝利が過去3度あったが、同校史上最少となる6安打での“エコ勝利”でセンバツ初の8強進出だ。
 大分県勢としても88年津久見以来となる31年ぶりの快進撃。川崎絢平監督も「打つのが悪いときにどれだけできるか。また一段階上がった」と喜んだ。最速139キロながら回転数の多い直球と縦スライダーが売りの若杉。最速143キロ右腕の大畑。ベンチにはあと3投手が控える。投手力も明豊の武器。初の甲子園4強も見えてきた。 (井上 満夫)

続きを表示

この記事のフォト

2019年3月30日のニュース