【大野豊 視点】巨人打線、広島・大瀬良の“新球”に対応できず

[ 2019年3月30日 08:54 ]

セ・リーグ   巨人0―5広島 ( 2019年3月29日    マツダ )

6回1死、岡本を三振に仕留める大瀬良(撮影・西尾 大助)
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 広島・大瀬良はカットボールの質を向上させた。縦に大きく変化していた従来と違い、打者の手元で小さく横へ切れる。昨季は2段モーションで好結果。さらに今春は左手を早めにゆっくり前へ出す改良を加えたことで、上から切る感覚が指先に伝わるようになった。

 軌道が変わったカットに巨人打線は対応できずに空振りが増え、広島バッテリーも「使える」と判断して序盤から多投した。特に左打者には外角のストライクゾーンへ入れるカットが効き、投球の幅を大きく広げた。

 丸からの4三振は決め球が内角カット、外角カット、カーブ、外角直球ですべて異なる。特にカーブは追い込んだ後に投げることがほとんどなかった球だ。緩急も付けて的を絞らせなかった会沢の配球も光った。

 逆に丸はハーフスイングを取られた1打席目の内角カットを意識しすぎたのか、全ての球にタイミングが合わなかった。目に見えない重圧もあったかもしれない。技術はあり、切り替えもうまい。2戦目にどう臨むか、注目したい。

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2019年3月30日のニュース