誠也 逆転3ラン オリ吉田正とアーチ競演、4番の一振りで決めた

[ 2019年3月15日 08:45 ]

オープン戦   広島3―2オリックス ( 2019年3月14日    シティ信金スタ )

<オ・広>7回無死、逆転3ランを放つ鈴木(撮影・後藤 正志)
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 これが4番打者だ。広島・鈴木誠也外野手(24)が14日、オリックスとのオープン戦(大阪シティ信金スタジアム)で、チームを勝利に導く左越え逆転3ラン。打点を12とし、楽天・ブラッシュと並んで両リーグのトップに立った。2020年の東京五輪で侍ジャパンの4番を争うオリックス・吉田正と鮮やかなアーチ競演。順調な仕上がりをチーム内外に誇示してみせた。

 快音を発した打球はドライブしながら左翼芝生席に着弾した。6回まで散発1安打に抑えられ、しかも2点を追う劣勢。この日初めて得点圏に走者を進めた7回無死一、二塁のワンチャンスを、4番・鈴木がひと振りで逆転に結びつけた。

 「長打にはなったけど、追い込まれていたので三振しないように心掛けた。タイミングが合って自分のスイングができました」

 2打席凡退していた右腕・小林と3度目の対戦で放った起死回生の逆転3ラン。「1、2打席目も打ちにいった中で見極めができていた。感覚は悪くなかった」と言う通り、カウント2―2からのフォークを見極め、7球目の内寄り高め直球に反応、腕を畳んで左翼芝生席まで運んだ。

 初回にオリックスの4番・吉田正が特大の先制2ラン。「見えなかった。(防球ネットを)越えたと思う」と振り返った打球は、鈴木の頭上を越えて場外へと消えた。「相手チームの4番は全く気にしていません」と言うが、東京五輪で侍ジャパンの4番を争うであろうライバルに負けじと打った一発。豪華な競演にスタンドのファンは大喜びだった。

 開幕前の助走段階ながら充実ぶりがキラリと光る。9日のDeNA戦(福山)以来となるオープン戦3号は、日本ハム・大田の4本に次ぐ2位タイ。打点12は、楽天の新外国人・ブラッシュと並んで両リーグのトップに立った。緒方監督は「すごいの一言だね」と思わずニンマリだ。

 とりわけ走者を置いた場面で勝負強い。3日、西武戦(長崎)で放ったオープン戦1号が3ランなら、2号は満塁弾、今回の3号も3ランだ。「長打は意識していません。状況に応じた打撃を心掛けているだけなので」。凄みを増す背番号1のバット。3月29日の開幕が待ち遠しい。(江尾 卓也)

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2019年3月15日のニュース