日米韓で24年間386セーブ 林昌勇が40歳を超えても持ち続けたプロとしての矜持

[ 2019年3月15日 08:30 ]

ヤクルト時代の林昌勇投手
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 日本、メジャー、そして韓国球界で計386セーブを挙げた林昌勇(イム・チャンヨン)投手がこのほど、現役引退を表明した。42歳。日米韓で計24年間プレーし、通算1004試合登板は昨季限りで現役を引退した中日・岩瀬仁紀の1002試合を上回る。巨人などでもプレーした同い年の李スンヨプと並ぶ、韓国球界のレジェンドと言っていい。

 野球人生のラストイヤーとなった昨季、起亜タイガースに所属していた林昌勇は11年ぶりに先発のマウンドに上がった。ヤクルト時代は、サイドスローからの160キロの直球を武器にセーブを量産。そんな右腕は、40歳を超えての先発マウンドを「楽しい」と言っていたという。

 韓国プロ野球の「伝え手」として取材歴も長いジャーナリストの室井昌也さんは、「直球も140キロ台後半が出ていた。本人は先発として、まだまだできると自信を持っていた」と話す。韓国プロ野球では、昨季まで「飛ぶ」とされるボールが使用されて打者有利だった。そんな中で林昌勇は「投手にとって厳しい状況の中で、42歳の僕がやっているんだから。凄いでしょう」と、強烈な自負を胸にマウンドに上がっていたという。

 強気な投球が持ち味。しかし室井さんは「内面は逆だと思う。弱みを見せたくない、弱い部分を見せないように頑張っていたのが彼の姿」と振り返る。例えば苦手な打者の話題を振っても、決して答えることはない。強烈な負けず嫌い。昨季も頭髪に白髪こそ交じっても、ほっそりとした体型は全盛時のまま。「自己管理は本当にしっかりしていた」(室井さん)。そこにはプロとしてのプライドがあった。

 09年の第2回WBC決勝。延長10回2死二、三塁で、林昌勇はイチローに決勝の中前打を打たれた。あれから10年。そんな林昌勇の引退の報と時を同じくして、イチローが東京ドームで開幕戦を迎えるマリナーズの一員として来日する。伝説となった決勝打。室井さんも、記者である私もドジャースタジアムでその瞬間を目撃していた。色あせない記憶。林昌勇の剛球も、色あせることなくファンの記憶に残るに違いない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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