阪神・糸原独白 新主将として広島お手本に「一体となって戦うことが大事」

[ 2019年1月6日 09:25 ]

阪神の糸原
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 阪神の糸原健斗内野手(26)がスポニチ本紙インタビューに応じ、新主将として迎える3年目シーズンへの意気込みを語った。最下位からの巻き返しを果たすべく、個人の目標として「出塁率向上」「失策1桁」を掲げ、チームの勝利に貢献することを誓った。(取材・構成=巻木 周平)

 ――主将として迎える3年目のシーズンが始まった。福留から受け継いだ大役で、どのような役割を果たそうと考えている?

 「(矢野)監督には、まず自分のことをしっかりやれという風に言われているので、まずは自分のことをしっかり。特別何かをするとかではなく、活躍すればそれがチームのプラスになる。そこを意識していきたい」

 ――打撃について。昨季は好不調の波が少なかった。自己評価は?

 「出塁率(・390)とフォアボールを選べた(86個)ことが良かったと思います。僕みたいに小さいバッターが簡単にアウトになっていたら相手にプレッシャーは掛からない。相手が嫌がる役割は僕みたいな選手がしないといけないと思うので、そういう点で良かったかなと。そのあたりの数字をさらに伸ばしたい」

 ――出塁率をさらに高めるために必要なことは?

 「やっぱり、フォアボール。フォアボールを取れれば打率も上がってくると思うし、そういう面は、大事にしてやっていきたいなと思っています」

 ――出塁する能力に関して、凄さを感じた打者はいるか?

 「(同学年で日本ハムの)西川遥輝です。フォアボールをめちゃくちゃ取るし、ボール球にもがっつかない。足も速くて、守っていて嫌だなと、交流戦で感じました。3試合しかしていないのに、そのイメージがすごく頭に残っています」

 ――1年間戦い抜いた昨季、攻められ方など、変化は感じた?

 「相手チームも研究してきているので、1年に何度も対戦する難しさはありますね。攻められ方も厳しくなったとは感じます」

 ――守備について。主に二塁を守った昨季、安定感が増した印象がある。自己評価は?

 「昨年は失策数1桁を目標にしていたけど2桁11個してしまったので。今年こそ、1桁に収めたいと思います」

 ――目標達成のために、何が必要?

 「甲子園は土ですから難しい部分もあると思うけど、それを言ったら言い訳になる。やっぱり、基本が大事なので。オフの自主トレ、キャンプで正確なプレーを心がけたい。ビッグプレーとか、ファインプレーとかじゃなくて、アウトにできる打球を確実にアウトにするということを心がけてやっているので、今年も変わらずに。ピッチャーを助けられるような守りをしたい」

 ――失策数で評価されがちな内野守備だが、それ以外にこだわりはあるか?

 「キャッチャーの配球を見て、“こういうボールを投げるからこっちにこんな打球が飛んでくる”という事は常に考えて準備しています。あとは、気持ちの準備さえしていれば防げるミスを防いだり、ピッチャーに声をかけに行くということは、来年、率先してやっていきたいなと思っています」

 ――昨季は全試合出場を達成。成果は大きかったのでは?

 「一昨年は途中でケガをして悔しい思いをしたので、昨年はケガをしないことを目標にやっていました。そのケガをしなかったことが一番良かったし、プラス、全試合出られたことは良かったかなと」

 ――逆に、悔いは?

 「個人としては良かったけど、チームとして、最下位という悔しい思いをした。そこは本当に悔しいですね」

 ――二塁には実績十分の上本をはじめライバルが多数おり、定位置を確約されているわけではない。競争への思いは?

 「激しい競争に勝たないと試合には出れないですし、負けたくないという気持ちでやっていきたい。当たり前ですが、セカンドは1人しか試合に出れない。その1人になれるように、まずはしっかり開幕スタメンを勝ち取って、そして、全試合出場を達成したい。まずは競争。自主トレでしっかり準備して、キャンプからアピールしていきたい」

 ――2年連続全試合出場を目指すにあたって重要な事は?

 「一年間戦える体を、ケガしない体を作ること。そのうえでしっかりバットを振って、しっかり練習して、準備していきたい。みんな一からの競争で、レギュラーはいないので。その競争に勝てるように練習してやっていく。それだけだと思います」

 ――数年続けて活躍してはじめて一流と呼ばれる世界。来季へ不安はあるか。

 「不安は全然ないですね。逆に、また争いができるし、その争いが楽しいので、勝ち取るためにがんばろうという思いだけです」

 ――自身が入団後2年間はともに広島が大差で優勝。巻き返しへ、学ぶべき点は?

 「戦っていて一体感が伝わってくる。チーム全体で勝ちにこだわってやっているという印象があります。やっぱり、プロの世界は個人の成績が一番大事だと思いますけど、試合はチーム全体で戦わないと勝てないし、当然優勝もできない。チームが一体となって戦うことが大事だな、と、カープには改めて感じさせられました」

 ――「一体感」を具体的に表現すると?

 「ファンも、選手も、監督も、コーチも、気持ちが1つになっているという印象です」

 ――1年間戦うにあたり、重要だと感じる期間はあるか?

 「いや、それは特になくて。毎試合毎試合が大事ですし、“この期間が特別大事”とかは無いですね。勝ちにこだわってやるという意味では143試合全て同じですから。毎日試合があって、空気が良くない方向に行くこともありますけど、そのなかで、1試合1試合勝ちにこだわってやるのが大事だと思う」

 ――最後にチームとしての来季の目標は?

 「優勝。最下位ですし。最下位より下はないわけですから、上だけを見てやっていきます」

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2019年1月6日のニュース