ソフトB本多、涙の引退会見 同い年・長谷川から花束「寂しさある」

[ 2018年10月4日 05:30 ]

引退会見で長谷川(左)から花束を受け取る本多(撮影・中村 達也)
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 今季限りで現役を引退するソフトバンク・本多雄一内野手(33)が3日、ヤフオクドームで引退会見を行った。13年間を振り返り、涙ながらに思い出を語った。本拠地最終戦となる6日の西武戦(ヤフオクドーム)で現役最後の試合に臨み、セレモニーも行われる。

 晴れやかな表情が一変した。本多は、同い年の長谷川勇から花束を受け取ると、こらえていた涙があふれ出した。

 「正直、この日が今来るかと。それが率直な気持ち。13年間の思い出が走馬灯のように浮かんでくる。きついとき、苦しいときもあったが、うれしいときのために13年間やってきた。今は後悔はないが、寂しさはある」

 今季は開幕スタメンに名を連ねたが、調子が上がらずに5月に出場選手登録を外れ、2軍生活が続いた。「12年に首を痛めて、去年、今年は痛みが出る回数が多くなった。髪を洗うとき、タオルで頭を拭くとき、一瞬にして電気が走るのが今年は3回くらいあった。納得するプレーができず、引く決断をした」とユニホームを脱ぐことを決めた。

 10、11年には盗塁王を獲得するなど通算342盗塁。「350盗塁は達成したい気持ちがあったが、342盗塁でもよくやったんじゃないかなと、自分でも思う」と振り返った。印象に残る盗塁には「ほとんどが印象に残っているけど、初盗塁と盗塁王を獲った瞬間ですかね」としみじみと言った。

 入団2年目からレギュラーに定着し、常勝チームの中心選手としてけん引した。「準備を怠るとバチが当たると思って、試合に対する準備を毎日やってきた」と早い時間から球場入りし、悔いの残らない備えを13年間、続けた。9月下旬に引退を決意し、チームメートに報告した。CSに臨む仲間には「一丸となって戦うのがホークスの素晴らしさ。それを継続してほしい」とエールを送った。

 今後は未定ながら「球団としっかり話し合って決断したい」と本多。走り続けた13年。6日の引退試合では、ファンへの感謝の思いを胸に、最善の準備をして臨む。

【本多と一問一答】

 ―現在の心境は?

 「半分、ホッとしている。(引退の)実感が湧いている。まだできると思っていたが、首(の痛み)を気にしてしまう。やる気はあったが、体は反対の方向に痛みが出た」

 ―今年は2軍暮らしが長かった。

 「選手の活躍は凄い刺激になった。またあそこに立ちたいと。その一心で2軍生活を送ってきた」

 ―家族の反応は?

 「両親は“あなたの野球人生だから、親がとやかく言うことはない”と。家内は僕よりも気持ちが沈んでいた。いろいろな言葉を掛け合い、話し合った」

 ―今後については?

 「指導者に回れることがあれば、これまでの経験を生かして前に進みたい」

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2018年10月4日のニュース