広島・天谷が涙で絶句「本当に広島に来て良かった」ドラフト9位入団、17年間ひと筋にプレー

[ 2018年10月4日 21:36 ]

セ・リーグ   広島0―4巨人 ( 2018年10月4日    マツダ )

<広・巨>引退する天谷はナインに胴上げされる(撮影・北條 貴史)
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 広島の天谷宗一郎外野手(34)が4日の巨人戦(マツダ)で現役ラストマッチに臨み、17年間のプロ野球生活に別れを告げた。

 この日、出場選手登録され「1番・中堅」で先発出場。昨年4月15日の阪神戦(甲子園)以来537日ぶりの先発で初回の1打席に立ち、捕手前へのゴロに終わると、この1打席で交代した。

 巨人・菅野に完封負けを喫した試合後に行われた引退セレモニーでは「まず、こんな僕にこのような機会を設けてくれた松田オーナー、球団関係者の皆さんに感謝申し上げます」と挨拶。続けて「久しぶりにマツダスタジアムに立って、チームメートの姿…」とここまで言いかけると10秒近く絶句。「…ファンの皆さんの姿を見て、本当に…夢、希望があふれた素晴らしい球場だなと…改めて思いました」と震える声を時折詰まらせながら必死に言葉をつないだ。

 福井商から2001年ドラフト9位で入団し、17年間広島ひと筋にプレー。「17年間、自分なりに必死に野球をやって来ました。カープがなかなか勝てない時代に、思うような成績も残せず、悔しい思いもしました。その時、ファンの皆さんにすごい…悔しい思いをさせたと思います。いい時も悪い時も変わらない温かい声援のおかげでここまでできることができました。今、カープは3連覇をし、チーム一丸…となり…本当に強いチームになりました。新井さんの言葉を借りるなら、家族のようなチームの一員になれたことを本当に誇りに思います」。涙をこらえながら必死に語りかけた。

 そして、「こんな僕をご指導してくださった歴代監督、コーチ。切磋琢磨し合ったチームメート。裏で支えてくださったチームスタッフの皆さん。そして、自分を生んでくれた両親。変わらず毎日支えてくれた妻、そして娘にすごい感謝をしています。最後にファンの皆さん、本当に広島に来て良かったと思っています。本日はどうもありがとうございました!」と声を張り上げた天谷。小窪から花束を受け取った後はチームメートたちの手で9度の胴上げ。場内一周では「49」のユニホームが多数掲げられたスタンドを見上げながら、何度もジャンプしてファンとのハイタッチで別れを惜しんでいた。

 ◆天谷 宗一郎(あまや・そういちろう)1983年(昭58)11月8日生まれ、福井県出身の34歳。福井商から01年ドラフト9巡目で広島入団。3年目の04年に1軍デビュー。2軍で03、04年、06年の3度盗塁王に輝くなど、走塁や守備で高い身体能力を発揮。12年8月25日の阪神戦ではチーム20年ぶりのランニング本塁打を記録した。1メートル78、84キロ。左投げ左打ち。

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