広島 大瀬良 リーグトップ14勝目「強気なリードで引っ張ってくれたイソに感謝」

[ 2018年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6―2中日 ( 2018年8月25日    マツダ )

2回終了後、右前適時打を放った広島・大瀬良はナインとタッチをかわす(撮影・坂田 高浩)
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 広島・大瀬良大地投手(27)が25日の中日戦(マツダ)でリーグ最多の勝ち星を14に伸ばした。7回を7安打2失点の粘投。打っても2回に右前適時打を放ち、投打にわたる活躍だった。打線も丸佳浩外野手(29)の29号右越え逆転3ランなど、3発を効果的に見舞って右腕を援護。ヤクルトが勝ったため、リーグ3連覇へのマジックナンバーは1つ減って「22」だ。

 必死だった。ビシエドに被弾した6回、なおも1死一塁の場面。大瀬良は「ここを抑えないと男じゃない」とギアを上げた。高橋を追い込み、最後は144キロ内角直球で投直。一走・アルモンテは戻れない。瞬時の併殺。心の中で吼(ほ)えていた。

 「体の動きとリリースの感覚が最後まで一致せず、ストライクを取るにも困った。強気なリードで引っ張ってくれた(捕手の)イソ(礒村)に感謝です」

 前2回が、走者をためてイニング途中で降板。同じ失態を演じるわけにはいかなかった。7安打を許しながら、7回をソロ2本に抑える粘投。故津田恒美投手の14番を背負い、入団時の目標に掲げた勝ち星をクリアした右腕は笑顔だった。

 「実感はない。ただ悪いなりに試合をつくれたのは収穫です」

 夏場をどう乗り切るか…を、一番の課題に掲げる。3年ぶりに2桁10勝を挙げ、規定投球回数をクリアした昨季も、7・8月の9試合は防御率が4・94と悪化した。自らもパフォーマンスの低下を自覚。その原因を自己分析した時、一つの結論にたどり着く。

 「夏場って練習量を落とすし、トレーニングの強度も落とす。だから、パフォーマンスも落ちるのでは…と」

 同じ失敗を繰り返さないよう、昨秋の段階で三浦真治アスレチックトレーナーに相談。今季は強度を上げてスタートし、体の状態に応じて臨機応変に対応しつつ、同じ水準で体をいじめ抜く。結果、今年7・8月は7試合で防御率1・72。高い意識と努力の証だ。

 打っても2回1死三塁で右前タイムリー。今季8打点は両リーグの投手で最多だ。まさに投打にわたる活躍。緒方監督は「走者を出しても粘り、終盤をしっかり締めたよね。ナイスピッチング」と賛辞を惜しまなかった。

 「もっと大事な試合がある。そういう試合でいい投球ができるように頑張りたい」

 最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠が懸かる5年目。リーグ3連覇へカウントダウンが始まった赤ヘル、投手陣の中心には充実一途の27歳がいる。

(江尾 卓也)



 ○…広島が中日に勝利。マジック対象チームの阪神が敗れたが、同じく対象チームのヤクルトが勝ったため、マジックは1つ減ってM22。きょう26日は阪神が外れ、対象がヤクルト1チームになった。現行の日程で最短優勝決定は9月8日のまま変わらず。

 ○…大瀬良(広)が2回に右前適時打。今季8打点は両リーグ投手最多。広島投手の8打点は昨季の岡田と2年連続で、近年では13年に野村も記録している。さらに打点を重ね、9打点なら81年の福士以来37年ぶり。2桁打点は野手兼任を除けば、55年長谷川11打点、57年長谷川10打点、78年池谷10打点の過去3度ある。

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