異例の展開に…ソフトB 中村晃 幸運すぎるリクエスト弾「ファウルだと…」

[ 2018年6月23日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―3オリックス ( 2018年6月22日    ほっと神戸 )

10回2死一塁、中村晃は右越えに大飛球を放つ(撮影・井垣 忠夫)
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 幸運すぎるリクエスト弾で単独3位だ。ソフトバンクは22日、オリックスとの“同率3位対決”を5―3で制した。延長10回に中村晃外野手(28)が7号2ラン。右翼ポール際への打球は、当初ファウルと判定されたが、工藤公康監督(55)のリクエストによるリプレー検証で覆り決勝弾となった。試合後に再度映像を確認した審判団が「ファウルだ」と誤審を認める異例の展開となった。

 リプレー検証を終えた審判が右手を頭上で回し、本塁打の判定を示すと、中村晃は少し首をかしげながら走りだした。「ファウルだと思った」。偽らざる気持ちを思わず、しぐさで表していた。

 3―3の延長10回2死一塁。カウント2―2からの9球目、高めの直球を振り抜いた。打球は右翼ポール際へ。ファウルの判定に一塁付近で顔をしかめ、いったん打席へ戻る。ここで審判団が集まり協議した結果もファウルだった。三塁側ベンチでは森作戦コーチ、藤本打撃コーチの進言で、工藤監督はリクエストを要求。リプレー検証で判定が覆り、勝ち越しの7号2ランとなった。

 「巻いてはなかったので、かすっているかどうか。次の球は何が来るかなと考えていた。(検証結果を待つ間は)長かった。うれしさよりは驚き。コーチ、監督に感謝」

 打った本人も目を丸くする。この一発だけではなかった。2点を追う5回二塁では同点の右越え6号2ランを放っていた。

 1試合2発はプロ11年目で初めて。「減るものではないので、どんどん増やしていきたい」。16年にマークした自己最多7本塁打に前半戦折り返しを待たずに、早くも並んだ。バットコントロールに定評があり、三振も少ない打撃職人。今季は飛距離にもこだわり、昨オフから全身の筋肉を鍛えた。その努力が予想外の幸運を呼び込んだ。指揮官も「価値のあるところ、長打がほしいところで打ってくれた。素晴らしい“晃デー”になって良かった」と喜んだ。

 チームが球場を引き揚げた後も衝撃的な“ドラマ”は続いていた。試合後に再度、映像を検証した審判団は、ファウルだったと誤審を認める異例の展開。交流戦では4年連続の最高勝率を逃したものの、リーグ戦再開で幸運を味方につけて白星発進。単独3位となったチームはこれから勢いに乗れそうだ。

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