広島 大瀬良 両リーグ最速10勝 OB北別府以来36年ぶり

[ 2018年6月23日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―3阪神 ( 2018年6月22日    甲子園 )

10勝目を挙げた広島・大瀬良(撮影・大森 寛明)
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 広島・大瀬良大地投手(27)が2年連続3度目の2桁10勝目を両リーグ最速で飾った。リーグ戦再開となった22日の阪神戦(甲子園)で7回を3安打零封。6月中の到達は13年の楽天・田中(ヤンキース)以来だ。打線は“キクマル”コンビが主導権を握る千金の2打点。8回途中から救援した中崎が反撃を断ち、18個目のセーブを挙げた。

 “半端ない”のはサッカー日本代表の大迫だけじゃない。大瀬良が、同学年の秋山との投げ合いを制し、驚異的なペースで自己最多に並ぶ2桁10勝をマーク。リーグ戦再開初戦でチームを勢いづけ、笑顔がはじけた。

 「最初の試合で(チームに)流れを持ってきたかった。秋山がいい投球をしていたので、負けないように粘れたのが大きい。ゼロで終われてよかった」

 序盤から最速150キロの直球と多彩な変化球を制球よく操った。2回1死一塁では、鳥谷を内角低めのフォークで二ゴロ併殺。3回2死一、二塁でも、北條を外角直球で二ゴロに斬った。4回以降は無安打で、7回を3安打零封。三塁を踏まさない力投だった。

 梅雨のまっただ中。ローテーション投手として、体調管理には細心の注意を払う。「湿気にボクは弱くて、体が動きにくくなるんです」。自宅マンションは常に除湿し、室内を湿度50%に設定。試合中は、イニング間を利用してエアコン完備のトレーナー室を訪ね、湿気を取り除くように努めるという。

 ベストなパフォーマンスを引き出すために講じる対策。自分の体を熟知すればこそだ。この日、甲子園の湿度は試合開始時に40%台だったが、イニングを重ねるにつれて70%台まで上昇。体が動きにくくなる環境の変化にも、右腕は「ストレッチをしていたので大丈夫でした」と笑った。

 これで阪神戦は昨季から6連勝。「そんなイメージはない」と言う27歳を、緒方監督は「ナイスピッチング。直球とカーブやフォークなどいろんな変化球を、しっかり制球できていた」と絶賛した。

 6月中の2桁10勝到達は13年の楽天・田中以来。広島では08年のルイス以来で、日本人では82年の北別府以来36年ぶりの快挙だ。

 「自分が勝つということは、チームも勝利するということ。これからもチームが勝てるような投球をしたい」

 20勝すら期待が持てる快ペース。リーグ3連覇を目指す広島投手陣の中心には、安定感抜群の大瀬良がいる。

(江尾 卓也)



 ○…大瀬良(広)が両リーグ最速で10勝に到達。広島の両リーグ10勝一番乗りは53年長谷川、82年北別府、95年山内、08年ルイス、12年前田健、16年野村に次ぎ7人目。また、6月までに2桁勝利は13年田中(楽)以来で、広島では08年ルイス以来、日本人では82年北別府以来36年ぶりだ。なお、過去に広島で両リーグ10勝一番乗りした6人中、最多勝のタイトルに結びつけたのは北別府(20勝8敗)、野村(16勝3敗)と2人。大瀬良はどうか。

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