巨人・菅野 完封16勝で最多勝当確「最後まで意地見せたい」

[ 2017年9月21日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0阪神 ( 2017年9月20日    甲子園 )

<神・巨>今季4度目の完封勝利の菅野
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 巨人の菅野智之投手(27)は20日の阪神戦で2安打無失点の無四球完封でリーグトップの16勝目を挙げ、自身初の最多勝を確実とした。3位DeNAとはゲーム差なしの勝率1厘差。防御率も1・64のリーグトップと絶対的な安定感を誇る右腕は通算60勝目。125試合目での到達は2リーグ制以降では球団歴代3位のスピード記録となった。

 1球料理が7度。そこに菅野の戦略が詰まっていた。

 「(いつも)初球から打ってくる。早打ちしてくると思ったので、初球からどんどん勝負球で入っていこう」

 前回14日も甲子園。初回に35球を投じ2失点したが、16球で3者凡退に斬った。4回先頭の上本に右前打されたが、続く福留は初球に直球を投じて右飛。4番・大山もワンシーム1球で三ゴロ併殺に仕留めた。村田バッテリーコーチが「相手がスイングする前提で冷静に勝負にいった」と称した投球術だった。

 自分の状態も見極めた。ブルペンは球が荒れ「ひどかったけど、試合の中で試して修正しよう」と割り切った。4回無死一塁から17打者連続アウト。わずか110球の無四球完封で、被安打2は自身最少。16勝目を手にし、自身初の最多勝に当確ランプをともした。

 2戦連続の中5日。「食事、睡眠、入浴は一貫している」と考え、体調管理に慎重を期した。約40度の温水に10分つかり、ロックアイスを3袋も入れた「肌が痛くなる」という冷水に5分。さらに湯に入る交代浴で副交感神経を高める。体温が下がったところで質の高い睡眠につくという「入団したころは知識がなかった」という自己管理で整えた。

 96年の斎藤雅樹(現投手コーチ)以来21年ぶりのシーズン4完封。球団では3位のスピードとなる、125試合目での通算60勝を挙げた。高橋監督も「言うことがない」と称えた。何より甲子園では昨年9月から5連勝。3位でCSに出場した場合のファーストステージの舞台となる可能性の高い甲子園で頼もしい数字となる。

 連敗を2で止め、3位DeNAとはゲーム差なしの1厘差に迫った。「(ここから)本当の意味で順位が見えてくる。最後まで意地を見せたい」とエースの目は次へ向かった。 (神田 佑)

 ▼巨人・斎藤投手コーチ(96年に自身がマークしたシーズン4完封に菅野が並び)4じゃ少ないでしょ(笑い)。昨日は投手がやられていたので、エースが気持ちを締めてくれた。

 ≪2位14勝の広島・薮田は多くて2戦先発≫リーグ2位の14勝を挙げている広島・薮田は、今季は多くて2戦の先発となる見込みだ。次回は23日の巨人戦(マツダ)だが、チームは同24、27、30、10月1日の4試合しかない。CS以降をにらむ緒方監督も「タイトルを獲らせるための残り試合ではない」と明言している。

 ≪2リーグ制後125戦目60勝は桑田超え3位≫菅野(巨)が無四死球完封で今季16勝目。自身無四死球完封は16年4月6日阪神戦、今季5月2日DeNA戦に次ぎ3度目だ。また、今季の完封勝利は4度目。巨人投手のシーズン4完封以上は96年斎藤雅が4完封して以来21年ぶりになる。これで菅野は通算125試合目で60勝に到達。巨人の最速60勝は1リーグ時代の41年に沢村が記録した95試合目だが、2リーグ制後では03年上原104試合、82年江川115試合に次ぎ3番目のスピードになった。

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