【斎藤隆MLBリポート】制度未成熟ゆえ 世紀の「10ツール大谷」争奪戦

[ 2017年9月21日 11:30 ]

日本ハム・大谷を視察する米大リーグ関係者ら
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 日本ハムの大谷翔平投手を視察するMLB球団の動きはここに来てヒートアップしています。札幌ドームのスカウト用に用意された席は、登板試合は、ほぼいっぱい。これほどの光景はかつてなかったと思います。今回、あらためて考えさせられたのが、ポスティングシステムという移籍制度。現制度は10月31日で失効となるため、現在、MLBとNPBの間で改定案について話し合われています。

 ポスティングシステムは、時代とともにルールが変わってきました。最も高い金額を入札した球団が独占交渉権を得る初期の制度に始まり、現在は上限2000万ドルの譲渡金を支払う意思のある球団は全て交渉できる制度になっています。そもそも、国によってルールが違うのは、制度が成熟していない証拠。韓国にもポスティングシステムがありますが、こちらは昨年、MLBが譲渡金の上限を800万ドルに設定しようとする動きがありました。日韓の2000万ドルと800万ドルの違いは、何が基準なのか、多少の疑問は残ります。

 一方で、ドミニカ共和国、ベネズエラなどの中南米諸国は、有望選手は10代で「青田買い」されていきます。政治問題が絡むキューバはまた事情が異なります。MLBのコミッショナーは、世界共通の移籍制度確立を目標に掲げていますが、実現にはまだまだ時間がかかりそうです。

 このようにMLBが国際戦略へと大きく舵(かじ)を切ろうとするタイミングで、現れた大谷投手。メジャーでは5つの能力を持った選手を「5ツール・プレーヤー」と呼びますが、MLB関係者の間では、5ツールどころか、6ツール、あるいは二刀流なので「10ツール」とまで言われています。ましてや、今回は契約金の高騰を抑制する「25歳ルール」が適用されるため、譲渡金以外に巨額の資金はかかりません。そのため、ポスティングシステム史上初めて、全30球団が参戦する「世紀の争奪戦」になるのではないでしょうか。 (パドレス球団アドバイザー)

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