今季のヤンキースにも当てはまる ヨギ・ベラの名言「勝負は終わるまで終わらない」

[ 2017年9月21日 11:25 ]

ニュージャージー州にあるヨギ・ベラ記念館・学習センター
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 ソフトバンクを2年ぶりのリーグ優勝に導いた工藤公康監督は現役時代、実に11回の日本シリーズ制覇を経験した。選手として11回の日本一は長嶋茂雄、王貞治らと並び、プロ野球最多とされる。

 大リーグでは、ワールドシリーズ制覇の証がチャンピオンリング。これを歴代最多の10個獲得したのが、ヤンキースの強打の名捕手ヨギ・ベラだ。ニュージャージー州にある「ヨギ・ベラ記念館・学習センター」に、このリングが展示されている(数年前に盗難の被害に遭ったため、一部はレプリカ)。

 同センターにはベラの栄光を振り返る品々や記録とともに、「ヨギイズム」と呼ばれた数々の名言が紹介されている。

 「考えることと打つことは同時にできない」(3A時代、監督に“考えながら打席に立て”と指示を受けて)

 「スランプ?俺はスランプじゃない。ただ打っていないだけ」

 「野球の90%は、メンタルが半分だね」

 「おめでとう!この記録は破られるまでずっと残るよ」(自身が持っていた捕手の最多本塁打記録を破ったジョニー・ベンチに)

 矛盾している言い回しが多々ある。しかし、彼の選手としての能力や業績、誰からも好かれるキャラクターがあいまって何とも言えない味わい深さが残り、米国では「名言集」も発売されている。

 そして、ベラの名言で最も有名なものの一つが「It ain’t over till it’s over.(勝負は終わるまで終わらない)」だ。メッツ監督時代の73年7月、その時点で9ゲーム開いていた首位との差をひっくり返して地区優勝。ワールドシリーズに進出した。昨年はDeNAがこの言葉を掲げ、球団史上初のクライマックスシリーズに進出した。

 今季のヤンキースも米国時間19日現在、残り11試合で首位レッドソックスに3ゲーム差と地区優勝には厳しい状況だが、まだ終わったわけではない。ワイルドカードからの下克上もある。偉大なOBの言う通り、勝負は終わるまで終わらない。(記者コラム・大林 幹雄)

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