【夏の1ページ】秀岳館 勇気届けた最後まであきらめない反撃

[ 2016年8月21日 10:30 ]

<北海・秀岳館>8回2死二塁、右前打を放ち、右翼手が後逸する間に一気に生還する秀岳館・九鬼
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第98回全国高校野球選手権第13日・準決勝 秀岳館3―4北海

(8月20日 甲子園)
 泣き崩れる仲間を抱きかかえながら、秀岳館の九鬼主将は試合後の整列に加わった。「チャンスをものにできず、打たれたのも(捕手の)自分のせい。最後まで迷惑を掛けっ放しでした。申し訳ない」。それまで気丈に振る舞っていたが、涙がこみ上げてきた。

 昨秋から不動の4番。結果が出ず「下位打線に合ってる」と弱気になったこともあった。そんな中、池田(徳島)で86年春を制するなど甲子園に4度出場した父・義典さんから「すり足打法」を勧められて今夏から取り入れた。7回に先頭で右中間二塁打を放ち反撃ののろしを上げると、8回2死二塁では右前へ適時打。右翼手の後逸で一気に本塁に生還したが、あと1点が遠かった。

 4月の熊本地震後、チームで「頑張ろう九州! 負けんばい熊本!」とプリントされたTシャツを作った。廃材を片づけるボランティアにも参加した。8月に入っても9日に熊本地方で、19日にも阿蘇地方でそれぞれ震度4の地震が発生するなど、復興へ苦難の道のりが続いている。「日本一が一番の恩返しだと思っていたのに…」。九鬼はそう悔やんだが、堂々の戦いぶりは勇気を届けたはずだ。 (井上 満夫)

 ◆九鬼 隆平(くき・りゅうへい)1998年(平10)9月5日、大阪府生まれの17歳。小5から野球を始める。中学時代は枚方ボーイズに所属し、関西大会、全国大会で史上初の5冠を達成した。秀岳館では1年春からベンチ入りし、2年秋から正捕手。家族は両親と姉。1メートル81、82キロ。右投げ右打ち。

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