大リーガーの侍ジャパン招集、小久保監督に求められる繊細な決断

[ 2016年8月21日 09:00 ]

イチローに会うためレッズの本拠地、グレート・アメリカン・ボールパークを訪れ記者の質問に答える小久保監督

 侍ジャパンの小久保裕紀監督が11日間の日本人大リーガーへの行脚を終え、帰国した。来年3月に控える第4回WBCに向けて、選手個々の事情や状況の把握、体調の確認が目的で「正式に声をかけさせてもらうにしても、1度も来ずに声をかけるよりは、しっかりと1度会ってからということ」と語った。

 招集に向けての判断材料を集めたといえるが、直接面談を行った意味は大きい。選手側に出場の可否を委ね、苦渋の決断をさせるのではなく、個々の事情を踏まえた上で招集を行う。選手を傷つけない配慮がのぞく。

 前回13年大会は、WBCへの出場決定が遅れたこともあり、代表監督の人選も遅れた。山本浩二監督が正式発表されたのは12年10月10日だった。大リーグは、プレーオフに進出していないチームの選手はオフに入っていた。FAであったり、個々の事情を深く聞く時間はなかった。結果は全員辞退。あるメジャーリーガーは「10月まで話を聞いてなかったから、自分はないと思っていた。出場オファーが来ても、翌年へ向けた準備のためのスケジュールを組んでいた」と心の内を話し「でも、期待してくれるファンがいると思うと、出ないという決断を伝えるのが嫌だった」とした。

 指揮官はオフに個々の選手と再会することも明かしたが、その時には、所属球団の方針も勘案した上で、招集方針は固まっているだろう。表向きには辞退したのか、招集しなかったのかは明らかにはならない。選手が心を痛めることはない。

 ただ、もう一つ、小久保監督にとって難しい判断が必要になる。WBCの大会規定はまだ発表されていないが、大リーグ所属選手は各ラウンドで途中参戦が可能となる規定が加わると予想されている。それが追加なのか、入れ替えなのか、人数は最大何人なのかは判明していないが、米国での戦いとなる準決勝以降に大リーガーの招集も可能となるわけだ。

 仮に入れ替え制であるならば、東京ドームで行われる1次、2次ラウンドまで戦った選手に替えて、大リーガーを加えるべきかどうかの判断が迫られる。故障以外での「大会期間中の招集」という他競技の国際大会ではなかなかないルールをどう活用するか。チームの士気にも関わる事項だけに、繊細な決断が求められる。(記者コラム・倉橋 憲史)

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