黒田でCS王手!今季最多126球 崖っ縁で虎斬り!

[ 2015年10月5日 05:30 ]

<神・広>5回、西岡を併殺打に打ち取った黒田は雄たけびを上げる

セ・リーグ 広島6―0阪神

(10月4日 甲子園)
 奇跡への道筋が見えてきた。広島は4日、3位・阪神との直接対決に完勝しゲーム差なしで並んだ。黒田博樹投手(40)が9回途中まで126球を投げ、8安打無失点の力投。11勝目を飾れば、援護する打線も松山竜平外野手(30)が先制、田中広輔内野手(26)はダメ押し…の2ラン2発だ。7日、中日との今季最終戦(マツダ)に勝てば逆転3位が確定、3年連続クライマックスシリーズ(CS)進出が決まる。

 表情には無念さがにじんでいた。「大瀬良、中崎を休ませたい」と直訴して上がった最終9回1死一、三塁での降板。07年6月3日、楽天戦以来の完封を逃した悔しさではなく、若き守護神の手を借りた不明を恥じ、顔に出た。男気ある黒田らしい振る舞いだった。

 「何とか粘ろうと思った。ただ(9回は)自分で行くと言った以上、しっかり投げないといけない。中崎に申し訳ない」

 修羅場をくぐり抜けてきた男の強さを存分に見せつけた。負ければ4位が確定し、CS出場が断たれる正真正銘の崖っ縁。「チーム状況はわかっていたけど、いつもと同じ緊張感でマウンドに上がった」。淡々と語るが、全身からは気迫をほとばしらせた。

 4―0の5回1死一、二塁。代打・西岡を外角低めのスプリットで二ゴロ併殺に斬ると、右手拳を握り締めて雄叫びを上げる。続く6回1死一、三塁のピンチ。ゴメスを宝刀の内角ツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた際には、胸の前で誇らしげに両手を握り締めた。

 「ゲッツーを狙いにいって取れたのは大きかった。野手もしっかり守ってくれました」

 日の丸を背負った04年アテネ五輪。中継ぎで銅メダル獲得に貢献した際の言葉を思い出す。「モチベーションをガッと上げるのは好き。切り替えて開き直れるので」。この日も勝つか負けるか…の一発勝負。「こういう試合は米国でも経験がある。19年間もやっているので」。風格だった。

 球数126球はメジャー7年間で一度もなく、07年9月27日、ヤクルト戦で132球を投げて以来の熱投。まだある。バットを持ってもナインを鼓舞した。3回、8球ファウルで粘り、藤浪に13球を投げさせた。緒方監督は40歳に最敬礼だ。

 「投球だけじゃない。立ち姿。姿勢。最後(降板)は納得してもらったけど、本来なら8回までのところを、最後まで行くと言って聞かないし、打席でもそう。野手が何も感じないわけがない。もう勝ってCSに行くしかないでしょう」

 泣いても笑っても残るは7日、本拠地での中日戦1試合のみ。「打者1人でも“行ってくれ”と言われれば行きますよ。少しでも力になれるのであれば」。救援に備え、ブルペン待機する男気右腕。若ゴイを背中で鼓舞する、黒田の熱いシーズンはまだ終わらない。 (江尾 卓也)

 ≪CSへは勝利が必須≫広島は阪神に勝って、CS進出の可能性を残した。シーズン最終戦の7日中日戦で勝てば、最終勝率・500となり、阪神(・496)を逆転して3位が確定。CS進出が決まる。引き分けか負けなら、阪神の勝率を上回ることができず、広島の4位が確定する。

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