阪神 自力CS消滅…藤浪 15勝も200イニングも消えた

[ 2015年10月5日 05:30 ]

<神・広>4回表2死、田中に四球を与えて天を仰ぐ藤浪

セ・リーグ 阪神0―6広島

(10月4日 甲子園)
 最後の大一番で「甲子園の申し子」が打ち砕かれた。阪神は4日、今季最終戦となった広島戦(甲子園)に0―6と惨敗しクライマックスシリーズ(CS)進出を決定できなかった。甲子園8連勝中だった先発・藤浪晋太郎投手(21)が5回4失点で7敗目を喫した。CS進出か4位かは広島の最終戦となる7日まで持ち越しとなった。

 敗戦後、藤浪は言葉を絞り出した。「(200投球回まで)あと1回、15勝の節目にもあと1つ勝てなくて、自分自身に一つ何か足りないところがあるということ。今季レギュラーシーズンは終わったので、来季のレギュラーシーズンに向け、そういうところを乗り越えていきたい」。5回4失点で7敗目を喫し、200投球回まであと1イニング、15勝まであと1勝が届かなかった。

 「こうした結果になったのは、自分の甘さが出てしまったからと思う」

 今季最終戦であり、勝つか引き分けでCS進出が決まる一戦。しかも舞台は5月20日から自身8連勝中だった甲子園だった。どうしても勝ちたかった。そんな「使命感」が力みを生じさせたのか。聖地での137日ぶりの敗戦には悔しさとふがいなさが詰まっていた。

 「松山選手に打たれた本塁打はボール1個分ほど、狙ったところより中に入ってしまったもの。石原選手の適時打も打たれるようなコースに投げてしまいました」

 1球の怖さをあらためて思い知らされた。3回まで1安打投球。それが4回に暗転した。無死一塁から松山に2ランを被弾。2死から四球、安打にマートンの失策も重なり二、三塁の窮地を招くと石原に右前2点適時打を浴びた。5回の攻撃で代打を送られ、降板を余儀なくされた。

 勝たなければならない理由はもう一つあった。この日の試合後には入団以来、公私に親交が深かった関本の引退セレモニーが予定されていた。

 「関本さんには本当にお世話になった。野球でもプライベートでも、よくしていただいた方が引退するのは凄く寂しい」

 個人トレーナーの紹介を受け休日にはともに釣りも楽しんだ先輩の花道。白星で飾りたかったが、かなわなかった。だからキャリアハイの14勝(7敗)で終えたシーズン総括に「もっとできたという悔しいシーズンになりました」と自戒の念を込めた。

 後手に回った打線も、鋭気をくじかれた。黒田の前に凡打の山を築かされ8安打で今季17度目の零敗。4万6843人の大観衆が詰めかけた今季最終戦で惨敗し自力でCS進出を決められなかった。今季限りの退任が決まっている和田監督は「まだ(可能性は)ゼロじゃないから」と前を向いた。残るは首の皮一枚。結果はどうあれ人事は尽くした。あとは、天命を待つのみだ。(惟任 貴信)

 ≪広島が負けか引き分けなら阪神CS進出≫阪神は広島に負け、シーズン3位を確定できず。CS進出の可否は7日、広島のシーズン最終戦・中日戦の結果次第となった。広島が負けか引き分けなら阪神は3位が確定し、CS進出。広島の勝ちなら阪神の4位が確定する。

 ▼阪神・鳥谷(575試合連続フルイニング出場で巨人・松井を抜いて歴代単独4位。11年連続11度目の全試合出場は巨人・王に並ぶ3位タイ)1年間出られたのは良かったと思います。

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2015年10月5日のニュース