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狩野復活祭り 育成選手も経験した苦労人が2年ぶり一発で涙

<神・ヤ>3回、狩野は左越えに2点本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神10-5ヤクルト

(8月29日 甲子園)
 巻き返しへの号砲や! 阪神の狩野恵輔外野手(31)が今季初昇格した29日のヤクルト戦に「7番・右翼」で先発。13年9月7日の巨人戦(甲子園)以来となるスタメンで、2ランを含む猛打賞、自己最多タイの1試合4打点の大暴れでチームを鼓舞した。育成選手契約も経験したプロ14年目の苦労人が、チームに新たな追い風を吹かせる。

 もう一度だけ立ちたい―。そう願っていた甲子園で華麗なアーチを描いた。2点リードの3回。2死二塁からの第2打席だ。先発の赤川が投じた初球のカットボールを狩野はフルスイング。プロ14年目、魂を乗せた大飛球を左翼スタンドに突き刺した。

 「打った球種を覚えていないくらい必死でした。首位と僅差の試合で使ってもらった。何とか結果を出したかった」

 無我夢中で放った一撃だった。12年8月31日の広島戦以来、728日ぶりの1号2ラン。くしくも2年前の一発はこの夜と同じ、長期ロード終了後の甲子園初戦だった。先発も同じ能見。状況は同じながら狩野の胸中は当時とは違った。

 「何度も引退を考えたことはある。去年は(戦力外を)覚悟していた」

 何度もどん底を味わった。10年は腰椎椎間板ヘルニア除去の手術。その後も続く腰の痛みは今でも残る。12年オフに育成選手として契約。昨年7月23日に支配下登録されたが、わずか6試合の出場で2安打に終わった。

 実は昨オフの段階で狩野は戦力外の対象選手だった。しかし常にひた向きな姿勢が評価された。フロント陣の心をも動かした人間性で首の皮一枚のところで残留できた。

 「結果を残せなかったのに球団に残してもらった。もう一度だけ甲子園に立って恩返ししたい」

 再び甲子園に立つことを目標に必死に汗を流した。その背中を若虎たちも見てきた。ある若手選手は狩野と同じ昇格候補の一人だった。それでもこの日、悔しさを押し殺しながらも言った。「狩野さんには絶対にやってほしい」。ライバルも認める存在。平田2軍監督も鳴尾浜球場で報道陣を前に熱く語った。

 「お前ら見ておけ。絶対に打つから。(遠征に行けなくても)残留練習もちゃんとやっていたことをオレは知っている」

 誰もが活躍を願っていた。和田監督も即先発として起用。その期待に3安打、自己最多タイの4打点で応えた。「ここまでチャンスはなかったけど、気持ちを切らさず準備をしてくれていた結果だと思う。申し分ない。東京ドームでは厳しい戦いが続いたけど、チームのいろんなものを吹き飛ばしてくれた」と指揮官も称賛した。

 “地獄”を知る男だけに見える物があった。

 「神様はいると感じました。神様はいる。若手の刺激にもなればと思う」

 逆境を乗り越える度に強さを増した虎の苦労人が、V奪回を狙う和田阪神の起爆剤となる。

[ 2014年8月30日 05:30 ]

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