能見粘投7勝 狩野復活に感慨「特別なものはある」

[ 2014年8月30日 05:30 ]

<神・ヤ>7回表2死二、三塁、適時失策を犯して謝りに歩み寄る今成を、「大丈夫」とばかりに制する能見

セ・リーグ 阪神10-5ヤクルト

(8月29日 甲子園)
 28日ぶりに返ってきた聖地でエースが意地を見せた。阪神の能見が7回2失点で今季7勝目。甲子園では4月18日のヤクルト戦以来、4カ月ぶりの白星を手にした。

 「(状態は)あんまり良くなかった。修正というか(ピンチでは)うまく緩急を使えた」

 3者凡退は一度もなかったように、苦しかった109球。ボールは高めに浮き、思うような投球プランが描けない中で「3つ取れるのはなかなかない」と3、5、6回で計3個の併殺を奪うなど、要所だけは締めた。

 勝利を分かち合いたい仲間がいた。試合後、左腕は自ら切り出した。

 「狩野が打ってくれたのが良かった。嬉しいよね。あそこで打つのは大したもの。僕の中でも特別なものがある」

 この日1軍昇格即先発出場した狩野が3回に左翼越え2ランを放ち援護してくれた。自己最多の13勝をマークした09年、右肘手術明けで前半戦不在だった矢野の穴を埋めるように台頭してきたのが狩野だった。何度も勝利の美酒を味わった仲。当時の真弓監督の発案で、開幕時点で30歳以下で年俸3000万円以下の選手を対象に年間活躍した選手を表彰する「M-1(真弓監督フレッシュ大賞)」も2人揃って受賞した。

 「メールとかはちょくちょくやっていたので」。長年腰痛に苦しみ、育成契約も経験した元相棒とは1、2軍離れていてもコミュニケーションを取った。励ますこともあれば、刺激ももらった。いつかまた2人で大舞台に立つ-。「約束の日」が、ようやく訪れた。

 この日、狩野は言った。「元々キャッチャーで能見さんに育ててもらったことが多い。能見さんの投げてる試合で打てたのは嬉しい」。振り返れば、12年も長期ロード明け初戦となった8月31日の広島戦に能見が先発し、8回に代打・ホームランを放っていた。バッテリーを組めなくとも、“赤い糸”で結ばれた後輩の奮起を背番号14が無駄にするわけがなかった。

 本来の力を発揮できていない今季。“特別な1勝”がエースの巻き返しに弾みをつける。

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