初MVPも胸中複雑…稲葉、仙台出身・由規から一発

[ 2011年7月25日 06:00 ]

<全パ・全セ>初回1死一塁、稲葉は由規から2ランを放ち、笑顔でダイヤモンドを1周

オールスターゲーム2011第3戦 全パ5―0全セ

(7月24日 Kスタ宮城)
 <全パ>由規、マー君、ダルビッシュ、中田…。若手の豪華なる共演の中で、MVPに輝いたのは8月で39歳になる日本ハムの稲葉だった。

 「皆さんも頑張っているので僕も一生懸命頑張りました。皆さんの笑顔がとても印象に残ってます。きょうここでプレーできて良かった」

 震災で今なお苦しむ人々に少しでも元気を与えたい。初回1死一塁。由規が投じた2球目、152キロ直球を右翼席まで運んだ。出場7度目で球宴初本塁打を記録した第1戦に続くアーチをまたも描いた。「物凄く速かったので1、2の3ではなく、1、2で振った。完璧でした」。由規は地元・仙台出身。この試合に懸ける思いも伝わっており「微妙でした。由規君もいいところを見せたかっただろうし、水を差したと思う」。しかし、複雑な心境を抑えこうも続けた。「こういう勝負の世界はそんなに甘いもんじゃないということを分かってもらいたかった」。夢舞台でも勝負に徹して、若き速球王にプロの厳しさを伝えた。

 3回にも右前適時打。2打席で交代予定だったが、全パの秋山監督から「最後まで頑張れ」とゲキを飛ばされた。7回の第4打席でも右中間二塁打。あと三塁打が出ていればサイクル安打という猛打で、球宴自身初のMVPを獲得。「サイクル?持っている人はできるけど、僕はまだまだ持っていない」とおどけた。

 賞金300万円の使い道を聞かれると、胸の内を吐露した。「仙台で獲れましたし、この被災地の方々のために、と考えています」。義援金など何らかの形で復興への手助けをしたい意思を示した。「後半戦でもまた選手全員でプロ野球を盛り上げていきたい」。表彰台での17年目のベテランの誓いに球場から大きな拍手が起こった。

 ≪史上2番目の年長初MVP≫38歳11カ月の稲葉(日)が先制弾を含む3安打の活躍で初のMVP。MVP初受賞の年齢としては、89年第1戦の村田(ロ=39歳8カ月)に次ぐ2番目の遅咲きになった。稲葉は第1戦でも一発。日本ハムで1球宴2本塁打は、62年張本、72年阪本、大杉(いずれも東映)、82年柏原に並ぶ5人目の最多タイ記録。左打者では張本以来チーム49年ぶりとなった。
 また、昨年山崎(楽=2本塁打)の41歳8カ月、93年落合(中=2本塁打)の39歳7カ月に次ぐ高齢複数本塁打にもなった。なお、今球宴はこの日の2発も含めセ、パ合計10本塁打。1球宴の両軍合計最多本塁打は87、01年の14本だが、2桁は03年の12本以来9度目だ。

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