【芸人イチオシ】さすらいラビー、ウエストランド井口の鬼軍曹ぶりに心酔 地に足付けて…師匠に恩返しを

[ 2023年1月9日 09:00 ]

さすらいラビーの宇野慎太郎(左)と中田和伸

 太田プロ主催のライブ「月笑」で年間チャンピオンに輝くなど、勢いに乗る「さすらいラビー」。東京のライブを中心に活躍する宇野慎太郎(31)と中田和伸(31)が敬愛するのが、昨年のM-1グランプリ王者「ウエストランド」の“スモールボス”こと井口浩之(39)だ。

 2年前からストレッチーズ、ママタルト、ひつじねいりと先輩のウエストランドの5組で「漫才工房」というユニットを組み、月に1回ほど新ネタライブを開催している。この楽屋での井口の鬼軍曹ぶりに、なぜか心酔している。

 M―1やキングオブコントといった賞レースは芸人にとって一世一代の大チャンス。その季節がやってくると、ついついライバルたちの結果が気になって、楽屋では「今年は○○が決勝いきそう」「○○が仕上がってるらしいよ」なんて噂話が持ち上がる。すると、井口からの情け容赦ないゲキが飛ぶ。

 「お前ら、またそんなこと言ってるのかよ! そんなん気にしてもしようがないだろ!」。

 おかげで楽屋は楽しくない。「他人に構っているヒマなんてないだろ!」というダメ出しの波状攻撃。この教えが染みついた後輩たちが暗黙のうちに掲げるスローガンが「地に足着けろ」。だから、メンバーが若手のコンテストで優勝してもお祝いするのは、ほんの一瞬だけ。余韻に浸ろうものなら、またまたお叱りを受ける。

 「結果を出しても喜ばない軍隊みたいな集団になってしまった」という中田も、実はこれがクセになっており、「魂の授業のおかげで、浮かないスピリットが身についた」と鉄のメンタル特訓に感謝。宇野も「こんなことを言ってくるのは井口さんくらい」と絶大の信頼を置いている。それもこれも、ダメだしの裏側に後輩を思う井口の愛情を感じているからだ。

 さすらいラビーの芸風は“師匠”の悪口漫才とは違って、笑いの中で“動き”が占めるウエイトが大きい。持ち味の1つは身長1メートル85の中田と1メートル59の宇野の26センチ差ある凸凹ぶり。そこに大げさな身振り手振りの動きが加わり、笑いが倍々ゲームで増えていく。

 中田は「早く結果を出してテレビで会いたい」とスモールボスとの共演を待ちわびている。M―1ドリームをつかみテレビ引っ張りダコの井口の教えを胸に、地に足着けて一歩ずつ。小さくまとまらず、ド派手に動いて笑いを取りにいくことが師匠への恩返しになる。

 ○…1月14日に新ネタライブ「ラメン」(東京・西新宿ナルゲキ)を開催する。中田は「2023年を戦っていくネタを見せるつもりなので、ぜひ先取りして見てほしい」とアピール。宇野は「新ネタライブでしか見られないネタもあると思うので、ぜひ劇場に足を運んで生で見てほしい」と呼びかけた。

 ○…宇野はアイドルグループ「私立恵比寿中学」のファン。先月行われた新体制お披露目ライブにも足を運んだといい、「新メンバー2人が即戦力だった。柚乃(小久保)が先輩になろうとしているのに成長を感じてぐっときた」と大興奮。「個人の目標はエビ中と共演することです!」と目を輝かせた。

 ◇さすらいラビー 2014年結成
宇野慎太郎(うの・しんたろう) 1991年12月17日生まれ、東京都小金井出身の31歳。特技はトランプ手品。
中田和伸(なかだ・かずのぶ) 1991年9月9日生まれ、東京都文京区出身の31歳。特技は漢字(漢検準1級)

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