広島・新井監督「もしもの時のための想定も」複数パターンの勝利の方程式テストへ

[ 2023年3月3日 05:00 ]

マツダスタジアムの全体練習を見守る広島・新井監督
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 広島は2日、マツダスタジアムで全体練習を行い、新井貴浩監督(46)が4日からのオープン戦14試合で、複数の勝ちパターンを試す考えを示した。この日、セットアッパーとして期待していた矢崎が「左内腹斜筋筋挫傷」の診断を受け、開幕が絶望的となったことが判明。また、守護神・栗林も侍ジャパンの一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参戦するため、計算が立てにくい。そこで「3・31」の開幕へ向け、可能なかぎりの手を打つ構えだ。

 不測の事態に備え、中継ぎ陣の整備を進める。新井監督がオープン戦をフル活用し、複数パターンの「勝利の方程式」をテストしていく方針を示した。

 「もしもの時のための想定もしておかないといけない。(勝ちパターンも)いろいろ試すと思う。競争してもらって、いいものを見せてもらいたい」

 4日ソフトバンク戦(PayPay)を皮切りに、開幕まで14試合行われるオープン戦では、春季キャンプ中の実戦同様、競争を促しながら適性を見極める構え。中でも力を入れる必要があるのは中継ぎ陣の整備だ。

 痛恨の離脱が判明したからだ。昨季途中から「8回の男」として47試合に登板し、今季もセットアッパーの一角として期待していた矢崎だ。春季キャンプ中の2月27日に左脇腹に違和感を訴えていたが、この日、「左内腹斜筋筋挫傷」と診断された。指揮官は「(完治まで)少し時間がかかる」と説明し、開幕が絶望的となったことを示唆。矢崎はすでに3軍扱いとなり、早期復帰を目指す。

 さらに守護神・栗林も侍ジャパンの一員としてWBCに参戦するため、開幕戦力としての計算を立てにくい状況。そこで態勢が整わない場合に備え、準備を進める。まず新井監督は代役守護神候補について、初めて名前を挙げて言及した。

 「もしもの時のために、候補がいる中ではニック(ターリー)が一番近いんじゃないかな」

 昨季45試合に救援登板した助っ人左腕を指名し、オープン戦でも9回で起用する考えを示した上で、続けた。「チャンスでしょ。アピールする場だと思うので、いいものを見せてもらいたい」。セットアッパー候補として森浦、中崎、島内、ケムナ、アドゥワらに奮起を促した。

 「(勝ちパターンは)決まっていない。オープン戦の中で見えてくれば理想だけど、そんなに簡単にいくもんじゃないと思っている。シーズンに入っても続いていくんじゃないかと思っている」
 まずは開幕までの4週間で試行錯誤を繰り返し、最重要課題の解決を目指す。(長谷川 凡記)

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2023年3月3日のニュース