イチローさん 現役時代と変わらぬ姿で指導 前ロッテのマーティン「なんて凄い人なんだ、イチは!」

[ 2023年3月3日 09:40 ]

外野守備練習で、トス打撃で巧みに飛球を放つイチローさん
Photo By スポニチ

 マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターのイチローさん(49)が2日(日本時間3日)、アリゾナ州ピオリアのキャンプ施設で指導を行っている。体型、躍動感、パフォーマンス、そして人気。いずれも変わらぬハツラツとした姿は現役時代そのものだ。

 全体練習前。一人、ストレッチ、ランニング、キャッチボールと入念に準備をするイチローさんの姿があった。現役引退から4年。”イチ流”は変わらない。昨春は右肩の状態が十分でなく、打撃投手が務められなかった。だが今春は万全。「天国です」と笑顔で話し「まだ100%じゃないけど遠投もできますし」と表情は底抜けに明るかった。

 全体練習では現役選手とともにアップ、キャッチボールをこなした。軽快さは現役選手以上。49歳には思えない動きだ。キャッチボールの相手は、昨季、新人選手として初の「25本塁打+25盗塁」をマークし、新人王に輝いたフリオ・ロドリゲス外野手(22)。日頃からイチローさんを師匠と慕う弟分はこの日も練習の合間に質問攻め。「よく(聞きに)来ますよ、フリオは。技術というよりも考え方ですかね。考え方が素晴らしい。やる気がある」。WBCでドミニカ共和国代表でプレーするメジャー2年生には、マリナーズの屋台骨を長く支える選手として期待している。これからが大事と問われ「これから”も”です」と“らしく”笑った。

 外野守備練習ではノッカー役を務めたが、ノックではなくトス打撃だった。現役時代同様の打撃フォームから巧みに飛球を放ち続けること20分。疲れないかと聞かれ「疲れますよ、これですから」と笑顔で即答した。バットはノック用ではなく現役時代に使用した重さ900グラムの愛用モデル。短い間合いから次々と放つ実戦同様の飛球は選手にも大好評で、昨季までロッテに在籍した招待選手のレオニス・マーティン外野手(34)は「What an impressive man,Ichi!」(なんて凄い人なんだ、イチは!)と感嘆していた。

 イチローさんが移動すれば、ファンは追いかけ、写真におさめる。いつになってもイチローさんはイチローさん。変わらぬ姿で光り輝いていた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年3月3日のニュース