落合博満氏 2010年の「アライバ」チェンジ 要因となった井端に「本心は言ってない」

[ 2023年3月3日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が3日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。4年ぶりにリーグ優勝を果たした監督生活7年目の2010年シーズンを振り返った。

 2010年シーズンは「資料見たらそうだったね。1ゲーム、1ゲーム」と落合氏が回想したように、中日が2位・阪神、3位・巨人とそれぞれ1ゲーム差という大混戦を制し4年ぶりにセ・リーグを制覇。日本シリーズではパ・リーグ3位から下克上を決めたロッテに第7戦までの熱戦の末に敗れた。ナゴヤDで行われた第6戦は延長15回2ー2の死闘ドロー、5時間43分というシリーズ最長試合としてプロ野球史に刻まれている。

 この年は常勝・落合竜の象徴ともいうべき「アライバ」こと二塁手・荒木雅博と遊撃手・井端弘和の2人による二遊間コンビのポジションチェンジを断行し「チームからもマスコミからも相当な批判を受けた」年。理由として「井端の動きが悪くなったんだ。膝をケガしたりなんかしてね。それでランナー・セカンドで(三塁で)止められるものが止められなくなってきて。大学時代、井端がセカンドやってたってのは亜細亜大学の監督から聞いてね。んで、荒木はもともとショートだったっていうことを聞いて。まあ、それだったらランナー・セカンドで抜けるやつを荒木だったら止めてくれるだろうっていうことで。そしたらもう1回勝負かけられるっていうのがあってね。だからその発想だよ」と説明。ここまでは、本チャンネルでも明かしていたが、当事者2人にはどう伝えていたのか。

 落合氏は苦笑いを浮かべながら「表面上は納得したと思う」とポツリ。続けて「でも心の底から納得したかどうかっていうのは…なぜ変えたかっとていうのは説明はしてないからね」と振り返った。驚くスタッフに「“お前の動きが悪くなった”とは言えないじゃない。言えるか?」と目を見開いて熱っぽく語った。

 2人には過去のポジション経験の話をした程度で「変われ」と単純明快な言葉で伝えたことを認めた上で「本心は言ってない。本心言ったら…落ち込むだろ?」と笑った。画面には「今だから言える話もあるし一生言えない話もあるわよねby信子夫人」のテロップも。

 落合氏が中日の監督に就任してから6年間、守り勝つ野球の要だった「アライバ」。その一角を担った井端への優しさ。「見える景色はまるっきり違う」という二塁手と遊撃手。大きな変革を受け入れ、落合監督が退任する2011年までの残り2年間、“イバアラ”がリーグ連覇の大きな力となった。

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