前日右手首に死球 日本ハム・江越がド根性満弾! 故障発覚なら2軍落ちも「できる範囲の痛みだったので」

[ 2023年3月3日 06:00 ]

紅白戦   紅組2-8白組 ( 2023年3月2日    エスコン )

新球場初の紅白戦で満塁弾を放つ江越(球団提供)
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 右手は離さなかった。3回1死満塁で迎えた日本ハム・江越の第2打席。カウント1―1から141キロ直球を捉えると、打球は左翼席に飛び込んだ。新球場「エスコンフィールド北海道」での初実戦となる紅白戦で満塁弾。痛みに耐えながら放った一発には、今季に懸ける覚悟がにじんだ。

 「昨日、(右手首に)当たったばかりなので痛みはあるけど。まあ、今日の打撃を見てもらえれば」

 前日の新球場初練習。実戦形式の打撃練習で投手を務めたポンセから右手首に死球を受けた。新庄監督に病院行きを勧められるも「できる範囲の痛みだったので」と断った。仮に骨折など故障が発覚すれば2軍落ちが確定。新球場での開幕スタメンを目前に、離脱するわけにはいかなかった。

 この日は右手首に黒のサポーターを巻いて練習。打撃練習ではインパクトの瞬間にバットから右手を離すほど痛みが残っていた。そんな状態でも心意気を買った新庄監督は白組の「9番・中堅」で起用。指揮官から、より操作性が上がるようにグリップエンドの太いバットもプレゼントされて臨んだ一戦で、ド根性の一発を放った。

 昨年10月に阪神からトレードで移籍。入団会見で初対面した新庄監督からは「一緒に0からやっていこう」と激励された。「1」ではなく「0」から。その言葉に「新人の頃の気持ちではないけど自分の中ではそういう気持ちでやろうと思った」と言う。今月12日で30歳だが、外野の定位置を目指し、新天地で若々しくバットを振り続けている。

 昨季までの札幌ドームと比べて外野フェンスが低く、前日に新庄監督は「最低でも(本塁打は)260本くらい打ってほしい」と04年の巨人(259本)を上回る、シーズン最多本塁打の更新を求めた。満塁弾を放った江越も「もっとアピールしていきたい」と誓う。右手も、開幕スタメンも絶対に離さない。(清藤 駿太)

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2023年3月3日のニュース