ダル「動揺」死球スタートも切り替え収穫50球 吉井コーチ「ダルも人間」 中日打線相手に登板

[ 2023年3月3日 05:25 ]

中日との合同練習で、カリステ(手前)相手に投げ込むダルビッシュ(撮影・椎名 航)
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 侍ジャパンのダルビッシュ有投手(36)が2日、中日との合同練習で打者を相手に登板した。1イニング目に先頭・岡林勇希外野手(21)への死球から2失点も2イニング目以降は修正。計50球を投げて打者12人に3安打1奪三振だった。WBCでは10日の1次ラウンド・韓国戦(東京ドーム)の先発が濃厚となっている。

 練習後、吉井投手コーチは「ダルも人間なので」と言った。栗山監督も「本当に優しさを持つダルビッシュ投手らしい」と評した。中日との合同練習。ダルビッシュは1イニング目、先頭・岡林にいきなり死球を与えてしまった。2球目の150キロ直球が右膝を直撃。「(対戦を)凄く楽しみにしていた選手だったので…。動揺してしまった」。ここから苦心の投球となった。

 「右(打者)の内角にいけない。遠慮しているところがあった」。打者5人に初球は全てボール。カリステにストレートの四球を与えた際は「あーっ!」と叫んだ。ビシエド、アキーノには左前適時打。この時点で23球となり、3アウトではない場面ながらイニング間のインターバルでマウンドを降りた。百戦錬磨の右腕はここでスイッチを切り替える。

 「ちゃんと球数を投げるのが今日の目的。最後の方はちょっとずついい球が出てきた。全体的にはまあまあ」。2、3イニング目は修正して計7人に1安打。最後の打者・カリステは「このオフずっと練習している」という、右打者の内角に食い込むスプリットで空振り三振に仕留めた。計50球を投げ3安打。直球は21球で、スライダーなどの変化球が58%の29球を占めた。

 「僕は変化球投手。いいカーブもあったし最後の方はスライダーに依存しないで投げられた」。114キロのカーブと最速153キロの直球の緩急差は39キロ。そのたぐいまれな投球術を実際に見ようとネット裏では山本、佐々木朗ら投手9人がずらりと並んで観戦し、同時間帯に放送しているTBS系「ゴゴスマ」では異例の生中継もされた。破格の注目度の中で「現時点ではこんなもんじゃないかな」と課題と収穫を得た。
 「ちょっとでも状態を上げられるように、妥協せず、気を抜かないようにしたい」。中7日で10日の韓国戦に先発することが濃厚。宿敵を相手に、もう遠慮することはない。(鈴木 勝巳)

 ≪練習後ツイッター更新「申し訳ない」≫ダルビッシュは練習後にツイッターを更新。死球を与えた岡林らに謝罪した。「推しのドラゴンズ相手に投げられるのを楽しみにしていたのにいきなり岡林選手に当ててしまってドラゴンズ、ファンの方に本当に申し訳ないです。岡林選手に何もない事を祈ります」。熱中しているゲーム「プロ野球スピリッツA」では中日が推しで、ビシエドは不動の4番。しかし死球で動揺し「ビシエドとの対戦も覚えていません。。」とした。

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