【玉ノ井親方 視点】既に大関の相撲だった大の里 年内昇進の可能性も十分にある

[ 2024年5月26日 21:43 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2024年5月26日    両国国技館 )

<夏場所千秋楽>阿炎(左)を押し出す大の里(撮影・久冨木 修) 
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 大の里は既に大関の相撲だった。仕切りの時から落ち着いていて、先に両手をついて受けて立つという構え。阿炎が腕を伸ばして突き放そうとしてもすぐに右を差し、左手を相手の右肘にあてがいながら上体を起こした。寄り方も万全。左に回り込もうとした阿炎の体に上体を密着させ、反撃の隙を1ミリも与えなかった。

 身長が1メートル90を超える大型力士は今までたくさん見てきたが、その中でも大の里の攻めのスピードは別格。右を差して、かいなを返しながら前に出る自分の形も持っていて、それだけでも相手はやりづらい。平戸海戦や豊昇龍戦のように、懐に入られて一気に前に出てこられたり、左を使えない時の投げにまだもろさはあるが、左でまわしを取る相撲を覚えたら鬼に金棒だ。

 気が早いが年内の大関昇進は十分にある。守りに入らず、攻める相撲を取り続けていけば来年の早い段階での綱獲りも夢ではない。(元大関・栃東)

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