世羅が連覇!!1区から首位譲らず 歴代最多11度目V 走れなかった主将のために…“代役”が救った

[ 2021年12月27日 05:30 ]

全国高校駅伝 ( 2021年12月26日    たけびしスタジアム京都発着 )

雄叫びを上げ連覇のゴールへ飛び込む世羅のアンカー・村上 (撮影・後藤 大輝)  
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 男子は世羅(広島)が2時間1分21秒で2年連続11度目の優勝を飾り、歴代最多優勝回数を更新した。

 走れなかった主将のために、最強軍団は一つになった。大会記録にわずか3秒及ばなかったが、同校3度目の2連覇を達成。アンカーの村上響(2年)は「よっしゃー!」と雄たけびを上げながらゴールテープを切ると、真っ先に塩出翔太(3年)の元へ駆け寄り、抱擁を交わした。

 「塩出さんの代わりじゃないですけど、今日は僕がエースなんだという気持ちを強く持って走りました」

 5年ぶりの優勝を果たした昨年にゴールテープを切った塩出は1週間前、右大腿骨骨膜炎を発症。大事を取って1区の森下翔太(3年)の補助に回ることが決まり「ショックでした。すぐには切り替えられなかった」。それでも、自らの“代役”を務める村上には毎日のように「頼んだぞ」、「お前ならできる」と声を掛け続けた。昨年の優勝翌日、全員の前で来年の目標を「連覇と大会記録更新」と言い切り、一つひとつの練習メニューの意味をまず自分が理解して全員に説いた。村上は「塩出さんがいてこそのチーム。大きな精神的支柱です」と感謝する。

 4区では吉川響(3年)が洛南(京都)に一時は並ばれたが、中継所では15秒差をつけて突き放す強い走り。都大路では一昨年も昨年も吉川から塩出にたすきをつなぎ、2人は小2から同じクラブで走ってきた仲。「今日は翔太のために走りました」と汗を拭った。大黒柱を欠くピンチに、全員が結束してつかんだ勝利。史上3校目、大会最多タイとなる3連覇へ挑む後輩たちにも、その心意気は受け継がれていく。(北野 将市)

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