神戸製鋼 “悲願”のパナソニック撃破は次戦へ持ち越し 元主将の橋本大「引退するまで1度は勝ちたい」

[ 2021年4月5日 05:30 ]

ラグビー・トップリーグ第6節最終日   神戸製鋼13ー13パナソニック ( 2021年4月4日    ユニバ― )

<神戸製鋼・パナソニック>後半、突進する神戸製鋼・モエアキオラ=中央(撮影・成瀬 徹)
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 神戸製鋼はパナソニックとの全勝対決に13―13で引き分けた。強い雨で展開ラグビーを封じられ、15連敗中の天敵から17シーズンぶりの勝利を挙げられなかった。勝ち点2を加え、パナソニックとともにホワイトカンファレンス2位以上が確定した。元主将のフランカー橋本大輝(34)が100試合出場を達成した。

 さすがの神戸製鋼でも、強い雨と強敵パナソニックが相手では、自陣から回す超攻撃ラグビーを封印しなければならなかった。今季、1試合平均キック10回のチームが、ミスが隣り合わせのため、少なくとも25回も蹴った。見せ場は少なくトライは1つずつ。今季リーグ2番目に多い観衆8523人も、悪天候を嘆きたかっただろう。

 「キックゲームになったが、よく対応したゲーム運びができたと思っている」

 フランカー橋本大は、戦術展開して臨んだ全勝対決をそう振り返った。前半29分、相手のカウンターをジャッカルで止めた。ピンチで体を張るのが持ち味。仲間の信頼は厚く、16年度まで歴代最長の5年間主将を務めた。

 この日が通算100試合目の出場だった。選手生命を脅かされた股関節の故障を乗り越え、34歳の今も主力。それどろか、小器用なパス、意表を突くキックでプレーの幅を広げ、「33歳に比べて今の方が脚が速くなっている」と意気軒高だ。

 04年から15連敗中の天敵撃破は持ち越しになった。次に当たるとすれば決勝トーナメント決勝。そこで、「引退するまで1度は勝ちたい」という願いをかなえる。

 《パナは1差首位守る》試合終了間際、パナソニックは途中出場のSO山沢が相手の裏へ意表を突くチップキック。CTBライリーが確保し、さらに山沢がインゴール目がけて蹴り込んだ。しかし、ボールはライリーが追いつく直前にデッドボールラインを割り、勝ち越しトライはならず。後半27分でWTB竹山に代えて山沢を投入したロビー・ディーンズ監督は「もう少しだった」と苦笑いした。雨で互いにハンドリングミスやラインアウトでのミスが続出。リスク回避のキックも多く、途中出場のフッカー堀江は「あまりボールが動かない、見ている人につまらないラグビーばかりしていた」と話した。だが、スクラムは前半だけで反則を3度誘うなど優勢。持ち味のディフェンスではターンオーバーも連発した。今月から順大医学部生となったWTB福岡は「次戦をしっかり勝って、カンファレンスを1位通過する糧にできれば」と話し、ディーンズ監督も「再戦したら、またいい試合になるだろう」とトーナメント決勝での対決を希望した。

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