17歳・梶谷 アジア人初!オーガスタでV 渋野と同郷妹分がゴルフ史に名

[ 2021年4月5日 05:30 ]

ゴルフ オーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権最終日 ( 2021年4月3日    米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=6381ヤード、パー72 )

優勝トロフィーを掲げる梶谷(AP)
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 上位30人による決勝ラウンドが行われ、17歳の梶谷翼(兵庫・滝川二高3年)が初優勝を飾った。2打差の5位から出て3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算1オーバーで並んだエミリア・ミリアッチョ(21=米国)とのプレーオフを1ホール目で制した。日本人初の快挙で、海外メジャーの全米女子オープンと全英女子オープンの出場権を獲得した。

 決めれば日本人、そしてアジア人初の優勝が懸かる1・5メートルのパーパット。カップの真ん中から沈めると、普段はシャイな17歳が右拳を力強く握った。インタビューでは梶谷の瞳から涙があふれる。

 「オーガスタは憧れ。何があっても最後まで楽しもうと決めていました。日本人、アジア人初というのはうれしい。初めて、というのは好きなので」。マスターズの舞台、オーガスタ・ナショナルGCの歴史に名を刻んだ。

 単独首位で迎えた17番で3パットのダブルボギー。最終18番でスコアを落とせば優勝の可能性が消える。「イライラした」と感情は乱れたが、キャディーのチャド・ラムズバックさんから「一打一打を大事に」と言われて切り替えた。第1打をバンカーに入れながら、3打目でピン奥から傾斜を使って手前80センチにつける会心の一打。パーセーブしてプレーオフに進み、1ホール目で勝負をつけた。

 岡山出身の17歳は、幼少期から天才少女と呼ばれてきた。世界ジュニア選手権で3度の優勝を誇り、13歳17日で日本女子オープンに出場した最年少記録を持つ。中学3年時からメジャー覇者の渋野日向子と同じ青木翔コーチに師事し、さらなる成長を遂げる。1Wの飛距離は約250ヤードと平均的だが、アイアンやショートゲームの精度が高いショットメーカー。「まだ発展途上」(青木コーチ)というホープだ。今年3月の全国高校ゴルフ選手権春季大会では、首位タイで迎えた最終日に失速して2位。青木コーチに「悔しさを晴らしておいで」と送り出された夢の舞台だった。

 クラブハウスに戻る時、マスターズ2勝のバッバ・ワトソン(米国)からグータッチで祝福を受けた。米メディアから今後を問われると「まだイメージがない。今はうれしい気持ちを楽しみます」と笑顔。女子ゴルフ界にまた新星が現れた。

 【梶谷 翼(かじたに・つばさ)】
 ☆生まれ&サイズ 2003年(平15)9月12日生まれ、岡山県出身の17歳。1メートル60。
 ☆ゴルフ歴 両親の勧めで7歳でゴルフを始める。得意クラブはショートアイアン。目標とする人は男子のロリー・マキロイ(英国)、女子の申ジエ(韓国)。今大会前のアマチュア世界ランキングは26位。
 ☆主な実績 14、15年に全国小学生ゴルフ大会制覇。年代別で争う世界ジュニア選手権で12、15、16年と優勝。17年に岡山・山陽女中で全国中学校選手権制覇。19年日本ジュニア選手権優勝。同年日本女子オープンで9位に入りローアマを獲得。
 ☆ナショナルチーム 高校1年時の19年からナショナルチーム入り。同年ネイバーズトロフィーチーム選手権で団体2位、個人3位。
 ☆天才少女 天才少女として注目され、バラエティー番組にも出演。テレビ朝日「ビートたけしのスポーツ大将」では、弟・駿くん(13)と組んでビートたけし、ナインティナイン岡村隆史、宮里藍さんらと対戦したこともある。

 ▽オーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権 19年に新設された女子アマの大会で、メイン会場はジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC。アマ世界ランク上位など世界のトップ85人が女王の座を争う。試合方式は54ホールストロークプレー。予選2日間は同州のチャンピオンズリトリートGCで行われ、上位30人がオーガスタでの決勝に進んだ。第1回大会は現在世界ランク11位のジェニファー・カップチョ(米国)が優勝し、安田祐香と笹生優花が3位に入った。昨年は新型コロナの影響で中止となり、今大会が第2回。

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