早大 連覇王手、FB河瀬2トライ 腰手術から復活 ハンドリング磨き結果

[ 2021年1月3日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権準決勝   早大33―27帝京大 ( 2021年1月2日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<早大・帝京大>後半、早大・河瀬がトライを決める(撮影・沢田 明徳)
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 2試合が行われ、2大会連続17度目の大学日本一を目指す早大が帝京大を33―27で下し、2連覇に王手をかけた。早大はFB河瀬諒介(3年)が卓越したランニングスキルを披露し2トライ。父が元日本代表FWの泰治氏(61)の逸材が、今月11日に国立競技場で行われる決勝の舞台に立つ。第2試合は天理大が明大を圧倒し、2大会ぶり3度目の決勝進出を決めた。

 再び国立決勝へ早大が駒を進めた。終盤のトライで6点差に詰め寄られたものの、最後はこだわってきたディフェンス力を発揮し逃げ切り。笛が鳴った瞬間、ベンチで相好を崩したNo・8丸尾主将は「本当にうれしかった。激しい、厳しい試合になることを想定していた中で、戦い切れた」と胸を張った。

 FWの総力を結集したのが前半2つのモールトライなら、個人技で2トライを奪ったのがFB河瀬だ。前半33分、最後尾からライン攻撃に参加すると、小刻みなステップで左右計4人をかわして1トライ目。後半7分には、WTB古賀のトライをアシストすると、同22分にはディフェンス2人の間に死角から飛び込んでパスをもらい、そのまま45メートルを駆け抜けた。

 「ギャップがあったので、行けると確信して勝負した」。外にWTB槙がいたものの、あえて自ら勝負に出た。昨年度は開幕前に腰のヘルニアが悪化し「足が全然上がらないし、前屈もできない」状態だったため、昨年7月に手術を決断。戦列復帰は同11月と遅れたが、ダイナミックさを増したランプレーを披露し「スペースを見て、いい攻撃ができた」と白い歯をこぼした。

 緊急事態宣言中は大阪府内の実家で過ごし、自身のプレーを振り返った。反省点に挙がったのが「ハンドリングエラー」。選手権決勝でもインゴールでノックオン。凡ミスを減らすため、攻撃時は「常に手を上げておく」とハンズアップを意識した。この日の2トライ、CTB伊藤のラストパスはいずれも捕りづらいものだったが、きっちり捕球した。

 コロナ下という難局を乗り越え、チームをまとめ上げてきた丸尾は「一日一日を大事にして、また積み上げて、もう一回“荒ぶる”を歌いたいと思う」と言った。例年なら夏合宿の最終日、長野・菅平高原のダボスの丘に登って練習する第2部歌。今季はその夏合宿すらなかった。それでも部員の思いは一つ。9日後のラストマッチに全てをぶつける。

 ≪モールから2トライ≫早大は前半にモールで2トライを奪い、試合の流れをつくった。いずれもインゴールまで10メートルの位置でマイボールラインアウトを確保し、一部のバックスも参加して押し切った。丸尾は「ジャンパーの精度が高かったので、いいモールにつながった」としてやったりの表情。ロック下川は「密着」と「会話」が秘けつであることを明かし、「全員が精度高く、いい練習ができた」と話した。

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