砂村光信氏 割られにくい矢じりのようなモールだった早大

[ 2021年1月3日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権準決勝   早大33―27帝京大 ( 2021年1月2日    東京・秩父宮ラグビー場 )

大学選手権準決勝で帝京大に勝利し抱き合って喜ぶ早大フィフティーン
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 【砂村光信 視点】早大がラインアウトからのモール、帝京大がスクラムと、強みを生かしてトライを取ったが、早い時間帯から強みを出した早大がペースを握っていた。

 早大のラインアウトモールは確実にトライへ持っていく強さがある。ジャンパーのキャッチングが正確で、着地する前にサポートの選手がコンパクトに組み、矢じりのような形で押すので割られにくい。細部にこだわる、早大らしい仕上がり方だ。また、1年生のCTB伊藤は相手裏へ向かって走り、ラインを前へ出せるので、CTB長田やFB河瀬の個人技がさらに生きる。

 明大は早大が勝った後の第2試合。昨季決勝で敗れた早大打倒へ気持ちが向いていたはずで、2年前の雪辱に燃える天理大とは臨む姿勢に差があった。相手CTBフィフィタに気を取られてWTBが内へ寄りがちなのを見抜かれて大外を攻められ、FW第1列に4年生が不在のスクラムを、途中で修正できなかったのも痛かった。

 決勝は早大がスクラム、天理大がラインアウトの弱点を修正できるかがポイント。スクラムを避けるためにはミスを、ラインアウトを避けるには反則を減らす展開に持ち込むことが必要だ。(元U―23日本代表監督)

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