35歳琴奨菊が奮闘中 “2本目の竹”見えてきた新たなもの

[ 2020年1月17日 09:00 ]

琴奨菊
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 大相撲初場所はともに34歳の白鵬、鶴竜が途中休場し、横綱不在となった。25歳の朝乃山が新関脇となり、26歳の大栄翔は新小結。世代交代に拍車がかかってきた印象だ。そんな中、前頭13枚目まで番付を落とした元大関で35歳の琴奨菊が奮闘している。2連敗と苦しい滑り出しだったが、3日目から3連勝。幕内通算697勝とし、史上10位の旭天鵬に並んだ。

 「年明けにそれを聞いて、一つモチベーションになった。やっているうちは実感がないけど、終わったあとに凄い記録と思えるかもしれない」。2005年初場所の新入幕から15年。幾多のケガとも闘いながら積み重ねた白星は、間違いなく誇るべき勲章だ。

 今の琴奨菊には新たな視界が開けている。32場所在位した大関からの陥落が決まったのは17年初場所。令和最初の場所だった昨年夏場所からは自身ワーストの4場所連続負け越しとなり、番付は06年初場所以来、14年ぶりに前頭の2桁台まで落ちた。そこで考えが改まった。「一つ、琴奨菊の竹は終わって、また一つ土の中から竹が出てきている」と。

 賜杯も抱いている大関経験者だけに、これまでは番付が落ちても当時の高い意識があった。それを「出来上がった竹でしか見れなかった」と表現した。目先を変えると新たなものが見えてくる。「(土の中から出てきたばかりの竹は)高さが違うから育つしかない」。ケガのために関取衆との稽古ができなくても落ち込むことはなくなり、「その分、別で補えばいい」と受け止められている。

 強さを求められていた大関時代と現在ではファンの見る目が違ってきているのは理解しているが「すがりつくわけじゃないけど、今の歓声の方が楽しいから、相撲人生を伸ばしていければ」と一日でも長く幕内で相撲を取り続けたいという気持ちが増してきている。

 5場所ぶりの勝ち越しを果たせば幕内702勝となり、貴乃花の701勝を抜いて単独9位となる。5日目の魁聖戦のように、左差しで右から抱えてがぶっていく相撲にはまだまだ力強さがある。「あとはどれだけスクスク育てられるか」。2本目の竹がどこまで伸びていくのか楽しみでならない。(スポーツ部・佐藤 博之)

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