朝乃山 新三役の名古屋場所へ闘志、突き押し制し進撃だ

[ 2019年5月27日 05:30 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2019年5月26日    両国国技館 )

支度部屋で優勝を喜ぶ朝乃山(撮影・西海健太郎)
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 令和最初の本場所で初優勝した平幕・朝乃山は千秋楽で敗れ、12勝3敗となった。表彰式ではトランプ米大統領から直接、大統領杯を授与され感激した若武者は、殊勲賞と敢闘賞も受賞。一方で、突き押し相撲への対策が急務と自覚し、新三役昇進が濃厚な名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)へ、早くも闘志を燃やした。

 身長1メートル87の朝乃山が上目遣いになった。令和最初の本場所、最後を締める表彰式は珍しい光景が繰り広げられた。身長1メートル90のトランプ米大統領から賞状と米国大統領杯を直接、授与された。三役経験すらないまま初優勝した25歳は日本語で「ありがとうございます」と繰り返し恐縮。「言葉に表せないぐらいうれしかった。“トランプ杯”は重かった。賜杯と変わらなかったかな。大統領はデカかった」。生涯の思い出となりそうな体験を率直に喜んだ。

 今場所、最後の取組は小結・御嶽海に圧倒された。突っ張りに応戦するも押し込まれ、得意の右を差したのは土俵際だった。「(14日目に優勝を決めて)“トランプ杯”をもらう立場なのに(大統領の)目の前で勝てなかったのが悔しい」と唇をかんだ。

 初優勝に浮かれた様子はない。次の名古屋場所へ課題を見つめている。6日目の阿武咲戦、12日目の玉鷲戦と合わせ、今場所3敗はすべて、突き押し相撲の相手に喫した。「立ち合いで圧力をかける。早く上手を取るとか、相手の出足を止める下半身強化」と強化ポイントを挙げた。

 星を伸ばした終盤に大関戦が組まれた今場所とは違い、新三役昇進が濃厚な名古屋は、序盤から上位陣と対戦する。「やっと上位と対戦できる(地位にいける)。御嶽海関に新大関の貴景勝関、そういう上の人をライバルに変えていかないと」。25歳の若武者は、令和を代表する力士を争いに名乗りを上げた。

 ▼近大相撲部伊東勝人監督 令和最初の本場所で、トランプ大統領も来て“持ってた”のかなと思う。立ち合いの当たりが強くなった。まだ伸びしろはあるし、高みを目指してほしい。

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