まるで“トランプ場所”、国技館ジャック 取組より沸いた

[ 2019年5月27日 05:30 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2019年5月26日    両国国技館 )

米大統領杯を優勝した朝乃山に手渡すトランプ大統領。後方は安倍首相(撮影・荻原 浩人)
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 令和初の国賓として来日中のトランプ米大統領(72)が26日、安倍晋三首相(64)と共に東京・両国国技館で大相撲夏場所千秋楽を観戦した。現職米大統領の大相撲観戦は初めて。結びまでの5番を見届け「本当に楽しんだ。見る価値のあるものだった」とご満悦。表彰式では新設された「米大統領杯」を優勝した前頭8枚目の朝乃山(25=高砂部屋)に授与。大観衆がこぞってスマートフォンで激写するなど、その一挙手一投足に国技館中が沸き返った。

 表彰式のため、特別に用意された階段を上って黒スリッパ姿で土俵に立ったトランプ氏。「スモウグランドチャンピオン」「レイワ・ワン(令和元年)」などと表彰状を読み上げ、朝乃山に片手でヒョイッと賞状を渡した。大統領杯を持ち上げようとした時には重さで体が少しふらつき苦笑い。それでも、憧れの優勝力士への授与がかない、にこやかに朝乃山と握手した。

 “トランプ場所”は何から何まで異例だった。午後4時55分ごろ、朝乃山―御嶽海の一番を前に進行が中断。トランプ氏が国技館に姿を見せると、土俵そっちのけで大観衆がスマートフォンを片手に総立ち。トランプ氏も自身の支持者集会のような熱烈な歓迎ぶりに口角を上げ、約3分間のスタンディングオベーションに何度も右手を振って応えた。

 席でも厚遇ぶりが押し出された。トランプ氏が腰掛けたのは正面升席の最前列中央に設置された肘掛け付きソファ。升席を仕切っているパイプをわざわざ外して設置された。メラニア夫人、首相夫妻と肩を並べて最後の5番を観戦。表情こそ変えなかったが、真剣なまなざしで対戦を見つめた。

 和やかな観戦の一方で“座布団テロ”への警戒は徹底。前後左右に日米の警備担当者が中腰で目を光らせ、防弾盾を忍ばせた黒の手提げカバンまで用意。結びの一番終了直後、投げ込まれる座布団を警戒し黒服の護衛が一斉に立ち上がり場内をどよめかせた。

 観戦は約50分。そのために国技館は朝から“トランプシフト”が敷かれた。館内の自動販売機は使用停止で「休場」の貼り紙。金属探知機や手荷物検査で入場が長引き、「楽しみにしていた一番に間に合わなかった」と厳重警備のあおりを受けたファンもいた。もし、千秋楽まで優勝争いがもつれていたら大一番に水を差しかねない状況も考えられた。

 土俵を下りて盛大な拍手で“送り出された”トランプ氏は「本当に楽しんだ。見る価値のあるものだった。ずっと相撲を見たかった。素晴らしい」とご満悦。館内を出る間際に両手の親指を立てて「いいね!」を体で表現。1メートル90の“世界の横綱”が最後まで観衆の視線をくぎ付けにした。

 【トランプ米大統領“国技館ジャック”アラカルト】
 ▼米大統領杯 高さ137センチ、重さ約30キロ。米国の国鳥のワシがあしらわれており、大統領の紋章も刻印。「内閣総理大臣杯」より約10キロ軽い。
 ▼国技館入場待ちの列 約500メートル。通常は列を作らず入場可能だが、入念なセキュリティーチェックのため混雑した。
 ▼舞った座布団 1枚(スポニチ本紙調べ)。向正面側で座布団を投げた観客の男性は、その後警察官に注意されていた。土俵までは届かなかった。
 ▼買い占められた席 約100席。升席25に相当。当初は1000席分となる升席250を確保したが、その後、放出。ここ数日で席を確保できた相撲ファンもいた。
 ▼国技館入りした関係車両 約30台。トランプ大統領が乗る乗用車、先導する警察車両、プレス車両などが車列を作った。大統領は車中から沿道の人々に手を上げてあいさつ。
 ▼シークレットサービス(SS) 約100人。警視庁の制服警官やSPも警備にあたり、外には警備犬も配置された。トランプ大統領の滞在期間中、警視庁は過去最大規模の1万8000人態勢で警備を行う。

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